人工肛門か永久ストーマか、35歳までに決断
──いまはストーマをつけた状態で体調が安定していますが、いずれストーマは閉鎖する予定なんですよね。不安はありますか?
島袋 ストーマがあると旅行でも荷物が多くなるし、お金もすごくかかって不便は不便なので、チャンスがあるなら戻したいとは思っています。
でも、35歳までに人工肛門を閉鎖できなかったり、閉鎖することで悪化する可能性が高いと医師からのすすめがあったりした時は、永久ストーマに変えようとリミットを決めています。35歳を超えてくると、体力的に手術後の復帰に時間がかかると思うんですよね。最初は30歳まで、と思っていたんですけど、いま30歳でまだ元気バリバリなのでリミットを35歳に延長しました。
ストーマの金銭的負担
──お金のエピソードは作品でも描かれていましたが、切実ですよね。
島袋 そうですね。沖縄県では永久ストーマしか補助金がもらえないので、一時ストーマの私は全額自己負担できつかったです。今住んでいる県では、月額9000円までのパウチを現物支給してもらえるので、かなり助かっています。
私がいま使っているパウチは1枚1000円ちょっとするものなんですけど、もっと安いのにするとはがれやすかったり、皮膚がかぶれたりするので、妥協はできないんですよ。
しかも病院から「ストーマ使用証明書」を発行してもらわないと、ストーマが医療品ではなく、消耗品と見なされ、医療費控除が受けられなくなってしまうので死活問題です。
専門以外をかたくなに診ようとする病院やドクターは地雷
──マンガでは、能力に不安が残る「第一の担当医」のエピソードや、セカンドオピニオン(セカオピ)の重要性についても描かれています。
島袋 あくまで私の経験ですけど、専門医がいるかどうかを聞いたときに「いないけどここで診ます」と言われたら地雷の可能性があるので、セカオピをしたほうがいいと思います。普通の医者なら、自分の専門以外は専門医を紹介してくれます。人生で医者にブチ切れたのはあれが最初で最後でしたが、そんな経験が人様のお役に立てるならうれしいです。
セカオピについてや、高額医療の医療費助成について、詳しく知りたい方は『腸よ鼻よ』(https://ganma.jp/chohana)をお読みいただければ役に立つと思いますので、ぜひ買って読んでください(笑)。