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眠ることが怖くて仕方がない

 眠っていても常に覚醒しているような状態が続いて、いくら寝ても疲れが取れない。長時間作用する睡眠薬を常用しているが、3時間もすれば必ず目が覚めて、再度の入眠はほとんど期待できない。医師から「寝ているのに腕や足を振り回して暴れるのは正常ではない」と言われててんかんの症状を抑える薬を飲んでいるが、それもいまいち効いているのかわからない。睡眠薬や抗うつ剤、抗不安薬のせいか、起きていても意識がぼうっとしていて、常に脳に靄がかかったような感覚と、強い眠気に襲われている。

 眠るたびに昔のトラウマを再生成したような夢や、大量の虫が身体を這う夢、あるいは自分の脳が作り出したとは信じられないほどのおぞましい夢を見るので、今では眠ることが怖くて仕方がない。疲弊するあまり心身は弱り切っていき、「こんな夢を見続けるなら、死んだ方がマシだ」とさえ思う。こんな日常が、かれこれもう5年ほどは続いている。

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一生残るかもしれない傷を子どもに与えないために

 まだ幼い子どもに対して、親や周りの大人が子どもの人権や意思を尊重せず、あたかも「自分の所有物」であるかのように振る舞うことは後々、子どもにとってのさまざまな地獄に通じる。それにもかかわらず、養育者である親ですら、その危険性を理解できていないケースは少なくない。

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「この子はまだ小さくて何も分かっていないから大丈夫」と思うかもしれないが、本人ですら記憶に残っていない幼少期に受けた傷やトラウマが、思春期を過ぎてから、成人してからなんらかの形で発現することは、決してめずらしいことではない。

 こうした性暴力を含む問題を「性的いたずら」という言葉で矮小化することで、被害が隠されてしまうことはもちろん、新たな被害を生み出すことにもつながってしまう。

 からかっているだけ。遊んでいるだけ。みんなやってるから大丈夫。

 それ、本当に責任を持って「大丈夫」だと言えますか。ひとりの人間の人生を破壊するかもしれない、と理解しても、まだ続けようと思いますか。