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“かつ初め”するなら久が原「自然坊」湯島「ますだ」で揚げましておめでとうございます

genre : ライフ, グルメ

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妻恋坂下「ますだ」冷める前に一気にいただきたい

 お次は都心に戻って、湯島は妻恋坂下にある「菜肴(さいこう)ますだ」。女将の増田千佳子さんは、神田にその名を知られた老舗とんかつ屋「かつ進」の家の生まれだ。

 

「だから実はこのお店は、かつ進の姉妹店なんです。菜肴ますだは4年前にできたばかりですが、かつ進は昭和41年の創業で、現在も外神田、神田鎌倉橋、湯島天神下の3店舗が営業中です。もちろんうちで出しているとんかつはかつ進で出しているものと同じですし、料理長もかつ進で長らく働いてきたベテランなんですよ」

たくさん頼んじゃった

 この大きさ、厚さ、バリっとした衣。これぞかつ進のとんかつだ。ザクッとした衣からグッと肉を噛むと、ジュワッと肉汁があふれてくる。ボリュームたっぷり、甘めのソースで冷める前に一気にいただきたい。お昼はこのとんかつの定食を求めて来る方がほとんどなのだろう。

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「そうですね、お昼は近くにお勤めの方がご飯を食べに来るので定食がメインですが、夜はお酒を飲まれる方がほとんどですよ。もともとわたしが酒飲みなので、店に置いているものはわたしが実際に飲んで選んだものなんです(笑)。メニューに載っていないお酒もあるので、お店に来た際には気軽に声をかけてください。利き酒セットもお得でおすすめですよ」

店に置いているものはわたしが実際に飲んで選んだものなんです

普段使いのおいしい居酒屋においしいとんかつがある幸せ

 お酒には一品料理の充実も大事だが、ますだも自然坊と同じく、そのあたりもバッチリだ。特に牡蠣のタタキは、一度酒蒸しで半生にしたものを使うという手間のかけよう。季節ごとの料理はバリエーションも豊富で、お酒をコップになみなみ注いでくれるのもうれしい限りだ。

 店の2階は20席のテーブル席となっており、新年会・忘年会などにもよく使われているとのこと。大人数にも対応できるのはうれしいポイントだ。今の時期は鍋物などもあるようで、ほんとうに普段使いのおいしい居酒屋においしいとんかつがある、という店なのだ。

 年が明ければ、湯島天神への初詣がてらにおいしいとんかつとお酒を、というルートも楽しい。天神さんに「かつ」と来れば、受験生や資格の勉強をしている方にもぴったりだ。

かつ進の姉妹店

お酒ととんかつの関係は、まだまだこれから

 とんかつには白いご飯、というご意見はそのとおり。しかし最近では、蕎麦前に倣って「かつ前」という言葉もちらほら聞こえてきている。日本酒はもちろん、焼酎を揃えている店もあれば、ワインがおいしい店もある。お酒ととんかつの関係は、まだまだこれから。何のお酒にどんなとんかつを合わせるか、工夫次第でとんかつを楽しむ幅はもっと増えるはずだ。

 2018年はとんかつで一杯、どうですか。

写真=かつとんたろう

INFORMATION

とんかつ 自然坊
東京都大田区久が原4-19-24
ランチ  12:00~15:00
ディナー 17:00~21:00
定休日 水曜日
http://www.tonkatsu-zinenbou.com/
12/31-1/5 休み

INFORMATION

菜肴ますだ
東京都文京区湯島3-8-1
[昼] 11:00~14:30 (L.O.)
[夜] 17:30~22:30 (L.O.21:30)
定休日 土日祝
12/28-1/3休み

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