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飯田さんの「伝説」のバックホーム

 93年、もう四半世紀も前になる。僕は高校2年生だったが、西武との日本シリーズ第4戦の「伝説」のバックホームは記憶に残っている。

 8回表、2死一・二塁。鈴木健さんの打球をセンター・飯田さんがキャッチャーの古田さんにダイレクトのストライク送球で二塁ランナー・笘篠誠治さんを刺したのだ。

 その距離約60メートル。野球記者いわく、これで西武に傾きかけていた流れを引き戻し、日本一に王手をかけたそうだ。

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羽生田さん・新庄さんの「バカ肩」、岡田の「一歩目」

 テレビの「好プレー珍プレー」で見た、山森雅文さん(阪急)の金網によじ登ってのホームランキャッチ(西宮球場)。あのフェンスはかなり高い。

「よじ登りキャッチ」は、阪神で同じ釜の飯を食った赤松真人選手(阪神→広島)もやっている(広島市民球場)。

 羽生田忠克さん(西武)や新庄剛志さん(阪神→メジャー→日本ハム)はとんでもない強肩だった。

新庄剛志 ©文藝春秋

 最近の強肩といえば、柳田悠岐君(ソフトバンク)とマーティン(ロッテ)だ。

 一緒にプレーした時代の選手ですごさを実感したのは、福留孝介選手(中日→メジャー→阪神→中日)のポジショニングと強肩。高橋由伸さん(巨人)の捕球から送球への素早さと正確性が目を引いた。

 岡田幸文選手(ロッテ)は、自分でポジショニングを取れる。脚力、1歩目のスタートの早さを生かした守備範囲の広さ。逆方向に守っていても、切り返しが良くて打球に追いつく。千葉マリンの強風に対する反応も良かった。11年・12年にゴールデングラブ賞受賞。活躍したキャリアは短かったが、良いコーチ(現・楽天)になれると思う。

 ほかには松本哲也選手(巨人)や亀井義行選手(巨人)の守備は安定している。

 最近では鈴木誠也選手(広島)が光っている。打球への入り方、チャージの仕方、強肩。どれも一級品だと思う。

打者によって「シフト」を敷く

 松井秀喜さん(巨人)は、レフト線の打球が少なかったので、レフトが左中間に寄ってきて、センターの僕がかなり右中間に移動した。

 ペタジーニ(ヤクルト→巨人)に対しては、松井さん以上にライト方向に極端に寄った。内野手も右方向に動いた。最近、メジャーで大谷翔平選手(エンゼルス)が打席を迎えると、全体的にかなりライト方向に寄る傾向が見られる。日本でも同様だが、かつてはペタジーニに対するような極端なシフトは珍しかった。