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フランス人妻は「日本の学校教育がおかしい」と…国際結婚した漫画家が語る、息子2人の育児で気づいた“日仏の子育てギャップ”

じゃんぽ~る西さんインタビュー #2

2022/07/09
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日本とフランスの“デザートの食習慣”の違い

じゃんぽ~る西 例えば日本とフランスでは食事の配膳の仕方が違うとか、フランスでは食後にデザートを必ず食べるとか、細かい違いはあります。

 フランスのデザートの食習慣が日本と何が違うかというと、甘いものを出すタイミングです。僕が育った家庭を思い出すと、晩ご飯を食べて片付けたあと、家族でテレビを観たりしてゆっくりしているタイミングで、果物やスイーツを食べていた。

 一方フランスでは、デザートは食後というより食事の「シメ」であり、食事の一部という感覚。だから、妻が子どもたちに甘いものを出すタイミングが僕には早すぎて、戸惑いますね。でも、困るほどではないです。

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普段から家族の間でよく話し合うのを心がけている

――子育てについて奥さまと意見が食い違うことは。

じゃんぽ~る西 妻は日本の塾に対して懐疑的ですね。日本の子どもたちは学校だけでなく、塾にも行って勉強する子が多いじゃないですか。でも、フランスでは学校だけで学ぶのが一般的らしくて。

 だから妻は「塾に通う子しか上位校に行けないのは不公平だし、公教育だけで足りないなら日本の学校教育自体がおかしいんじゃないか」と感じるようです。

 ただ、長男が最近「友だちが通っているから僕も塾に行ってみたい」と言い出しました。どうやら小学4年生になって、学校終わりに塾に通う子が増えてきたみたいで……。中学受験を意識し始める年代なんでしょうね。

――奥さまの対応が気になりますね。

じゃんぽ~る西 手放しでは認めないと思います。でも、親が受験塾に抵抗がある理由を説明して、それでも長男が「行きたい」と言ったら、通わせるんじゃないかな。

 こんなふうに、普段から家族の間で思っていることはよく話し合うよう心がけています。

 

――日常的に議論をするのは「フランスらしさ」を感じます。

じゃんぽ~る西 そうですね。僕のルーツというよりは、妻が生まれ育ったフランス文化の影響が強いと思います。意見が食い違ったらとにかく議論をして、納得のいく妥協点を見つける。「思っていることは言葉にして話す」というのが基本ですね。夫婦でも口にしないとわからないことがありますし、話し合ってやっと気づく“ズレ”も多いですから。

 子どもにも、学校生活であったことを、どんなことでもいいから気軽に親に話してほしいし、そのためにも家の中が話しやすい空気になっているほうがいい。だから常に親子で雑談してますし、夫婦で議論もします。

――お話を聞いていると、いい意味で「夫婦も他人だから、価値観や考えが違うのは当たり前」と捉えているように感じました。

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