こんな窮屈な時代においては、誰もが罪人だ『監獄のお姫さま』(TBS系)
こちらは10月より放送を開始し、つい先日フィナーレを迎えたばかり。小泉今日子、満島ひかり、菅野美穂、森下愛子、坂井真紀、夏帆……と実に豪華なキャストを、宮藤官九郎(脚本)と金子文紀(演出)の『木更津キャッツアイ』タッグが手掛ける。
これほどまでにテレビドラマファンの琴線に訴えかけた作品もそうそうあるまい。プレイバックの多用や複数の時間軸の往復で描かれる物語は、序盤こそなかなかエンジンがかからなかったものの、終盤にかけては怒涛の回収力でカタルシスを生み出し、「宮藤官九郎ここにあり」と視聴者を唸らせた。
主人公たちは元受刑者。出所後もイリーガルな復讐に手を染めていく。しかし、こんな窮屈な時代においては、誰もが罪人だ。故に、傷ついた彼女たちの連帯は、コミカルなギャグでまぶされながらも、どこか切実さを帯びていた。
そして、やはり彼女達は法を超えて、許され、報われる。刑務官である若井ふたば(満島ひかり)と受刑者の馬場カヨ(小泉今日子)とが、年齢や関係を超越した疑似母娘関係を結び、共同生活を送る8話がハイライトか。
序文の繰り返しになるが、時代を映す鏡であるテレビドラマというメディアは、現代を生きるわたしたちの多用な在り方を許し、励ましてくれるのである。
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