数学的に言いますと、俳句は黄金比
これで出揃いましたね。では名乗ってもらいましょう。
<4点句> 大根や雨に妖しき白の列
ビナード ぼくです。ありがとうございました。
<4点句>青皿の大根おろしの雪景色
楊 はい! うれしい。
金子 初夢ではあんまり得点取れなかった楊さんが大逆転だ。
<3点句> 大根煮芥子たっぷり汗が出る
ピーター 僕。楊さんの論理的な反論は数学者として痛かった(笑)。
楊 俳句の5・7・5は数学的に意味がありますか?
ピーター 大まかにいうと五対七の比率は黄金比に近いんです。レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」の構図などに用いられている比率ですね。だから俳句は美しい言葉の並びになると言えるでしょう。
金子 そいつはいい話を聞いたな。
<2点句> 軒先に大根干して陽を誘う
ピーター これも僕。新潟で見た景色がとてもきれいだった。
<2点句> 大声で抱き上げられて桜島
金子 これは私でした。
<1点句> 湯上りに鰤大根を北の旅
ヴルピッタ はい、大根好きの私です。
<1点句> 雪けむり湯畑はたく大根かな
楊 はい。ウイッキーさんの読みの通り、女性の脚を詠んでいます。
<1点句> 初雪や大根の肩は冷えるかも
ヴルピッタ かもで終わるのは私(笑)。
<1点句> 妻睨む大根作家のままかな
ゾペティ はい。
金子 好きだな、この句。大根作家っていうのがいいよ。面白い。
<1点句> 人参に囁きかけて紅白に
ウイッキー 私です。
<1点句> 手にさげる大根の葉にくすぐられ
ビナード 主夫感覚のぼくです。
「初雪や一番目立つインド人」って詠んだら大使館に怒られた
<無得点> キス奪ひ大根の味愛しいぞ
ゾペティ 僕です。永年一緒に生活してきた妻が大好きな大根料理を作ってくれて、食後にキスを奪ったら大根の味がしたからいっそう愛しくなったという意味合いなんですけどね。
ビナード 奪うとなると、妻じゃないような気がするけど。
ゾペティ うちの場合は、忙しいとか言われて、奪わないと……(笑)。
<無得点> だいこんのセール目立てる商店街
ウイッキー 私です。ロマノ先生の大根の白さを目立たせるほうがいい、というご指摘になるほどと思いました。
ヴルピッタ そのほうが色の対比が鮮やかです。
ウイッキー 昔「ズームイン朝」の生放送中、初雪が降った日だったので即興で「初雪や一番目立つインド人」と詠んだんです。色の対比は抜群な句でしょう。そしたらインド大使館から「あんたスリランカ人なんだから自分の国使いなさい」って怒られた(笑)。
金子 ハッハッハ、その句は面白い。挽回しましたね。外国の方に俳句を楽しんでいただけて、しかも数学的にも美しいとお墨付きもいただいた。日本の俳句はこれからも安泰だ。この大団円、きっと子規も喜んでくれていることでしょう。私も元気をもらったよ。ありがとうございました。
写真=山元茂樹/文藝春秋