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吉徳氏が社長になって以降、“症状”の中身がエスカレート
「社長就任後も、会長として君臨した貞夫氏の影響力は大きかった。株の保有割合も貞夫氏が50%、吉徳氏が16.6%。登記簿によれば、吉徳氏の自宅は貞夫氏名義の豪邸です。昨年8月に会長を退いた貞夫氏への退職金も約4億3000万円。経常利益(約4億5000万円)の95%以上が退職金に消えた形です」(同前)
父親には巨額退職金を支払う一方、苦しんでいたのは現場の社員だった。
「新年会の“症状”は約10年前に始まりましたが、吉徳氏が社長になって以降、中身がエスカレートしていった。発案者は件(くだん)の課長で、5通以上渡された社員もいた。課長は支店長よりも年上で成績も会社でトップクラスです。吉徳氏もそんな彼を高く評価していた。結果、誰も“症状”に文句を言えなくなってしまったのです」(同前)
吉徳氏は「業務と自死の相関性はないと判断していた」と回答
今回の問題が表沙汰になってからも、
「社長は社員にZoomで『外部に情報を漏らさないように』などと指示するだけでした」(同前)
吉徳氏に会社を通じて事実確認を求めたところ、
「社内での聴き取り調査を実施しましたが、業務と自死の相関性はない、と判断しておりました。社内調査が不十分であったと深く反省しております。(Zoomの指示は)本部にて一括して対応すべきと考え、情報管理に配慮するよう指示したことはございます」
失われた命は戻らない。