当事者たちに話を聞くと……
勝手に印鑑を押し、がん保険を契約――にわかには信じがたい状況だが、当の扇港電機の社員たちはどう思っているのか。
小誌は複数の扇港電機の社員に事実関係を確認。すると、多くの社員が驚いた様子で「がん保険についての説明を受けたことはない」「申込書に押印した記憶はない」「がん保険の存在を知らなかった」などと証言した。
当事者たちに聞いた。
扇港電機は、〈当該保険の加入に関しては、代理店から被保険者である社員に対しての説明や加入同意が必要なことは聞いていたが、手続きの簡便化の為、代理店に手続きを一任した。各社員の押印の事実はなく代理店に一任している〉などと回答。FWD生命は〈顧客の契約情報に関する件につきましては、回答できかねます。全ての保険契約のお申込みについて、弊社所定のプロセスに則って手続きしています〉とした。
一方、実際に販売業務を行ったサンユーモメントは間宮純子社長の署名入りの文書で次のように回答した。
〈被保険者の同意が必要だと契約者に伝えたが、時間的問題から私の方で同意の押印をする旨お伝えし、私および FWD社員にて押印しました。保険業法において違法な募集経緯であることは認識しておりますが、顧客のお手間を考えた結果の私の行動となります〉
なぜ3者はこのような行為に及んだのか。前出のA氏が語る。
「実は、この保険契約の裏には、FWD生命・サンユーモメント・扇港電機の3者にとって大きなメリットがあるのです」
現在配信中の「週刊文春 電子版」では、この3者が被保険者に無断で捺印してまでがん保険を契約させたかった理由、“違法”契約の手口、弁護士が指摘する問題点、過去にFWD生命が金融庁から指導を受けた“別の不適切営業”などを内部資料と共に詳報している。
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