うまい料理の連続!
アメリカ料理の定番シーザーサラダには、丸ごと一枚の葉っぱ! 三重県鈴鹿の「近藤けいこナチュラルファーム」の葉野菜を使用。軽やかなドレッシングに巨大クルトンがまみれ、パンとして普通にうまい!
クラムチャウダーはパンの器になみなみ注がれていた! がぶりとまるかじり。どろり舌の上にミルキーな雫がこぼれ落ち、北海道産小麦「キタノカオリ」のやさしい甘さが現れる。使用されるパンは、杉窪シェフのスペシャリテ「ソンプルサン」。これはパンおたくの夢を叶えるドリームボウルだ!
「ライ麦畑の香り豚カツレツ」は、ほとんど豆腐レベルのやわらかさ! 自家製ライ麦パン粉の香ばしさが、とんかつに炒りゴマをふるみたいに、こっくりとした甘さを豚から引き出している!
「店売りで残ったライ麦パンからパン粉を作りました。フードロスがない組織にするのもうちの目標」
カラスミとしらすのアーリオオーリオ。パスタは舌の上を滑るほどつるつるにして、日本の至宝キタノカオリのもっちり感も楽しめる。このパスタもなんと自家製だというではないか!
「頭が固いですね。パン屋なんだから、シーター(クロワッサンを折り込む機械)で作れば、簡単じゃないですか」
クロワッサンのベリーミルフィーユ。私もこよなく愛する「365日」のクロワッサンを使用。それだけに実にふわふわでバター感さわやか! 空飛ぶミルフィーユと名付けたい。
目標は「世界平和」!?
パン料理を楽しみながら、最先端シェフの予測する未来図を聞いた。
「飲食は、AIやロボットに代わられて人間の仕事がなくなるでしょう。ベーシックインカムが導入されれば働かなくてよくなる。すると、生活費の安い地方に人が戻る。ますます農業が大事になる」
「農業の六次産業化が叫ばれているけど、農家がやろうとしても進まない。それなら、僕ら飲食の人間が農業をやればいい。自然栽培なら手がかかりませんし。うちも、そろそろ農業をはじめようと思っています」
目標は「世界平和」と豪語。オーガニックなパンをばんばん売って、持続可能な農業を広げ、人々を健康にして、平和を実現するのがビジョン。ベーカーズファーマーズレストランは未来を耕す21世紀の開拓者になるだろう。
写真=池田浩明
ヨル15℃
東京都渋谷区富ヶ谷1-2-8
03-6407-0942
18:00~23:00(料理のL.O.22:00、ドリンクは22:30)
不定休