河原に林道、崖に沼……常人であれば迂回する「悪路」も、四駆乗りにとっては絶好の遊び場だ。道なき道を踏破することに心血を注ぐ、酔狂なオフローダー達の素顔とは!?
ボロボロの走行不能車を1年かけてフルレストア
このランクルはもともと、走行できないボロボロのタマを買ってきて、そこから自分でフルレストアしたものです。これは40型のランクルですが、まともに走れるタマはプレミア化してしまって、おいそれとは手が出せないんですよね。
私自身は整備士ではないので、ショップのガレージを借りて、四駆乗りの仲間に手伝ってもらいながら、1年ほどかけて製作しました。これとは別の車体を用意して、そこからニコイチで作った形ですね。さすがに費用も嵩んで、車体とレストアで600万円ほどかかっています。
1年間は車がなく不便な状態が続きましたが、レストアそのものも楽しめたので、それほど長くは感じませんでしたね。自分の手を汚しながら、車の構造を一つひとつ把握できて、貴重な経験ができたと思います。
お金のかかる趣味ですが、妻は理解してくれています。もともと、妻もレトロな車が好きで、「窓は手回し式じゃないと違和感がある」というくらいなんですよ。これを買ってから免許の限定も解除して、妻自身も運転を楽しんでいます。
自分は昔からランクルが好きで、最初は60を買ったんですよ。いい車でしたけど、正直「ちょっと新しすぎるな」という感覚があって、ずっとこの40に憧れていたんです。
いざ苦労して完成させて、オーディオも何もない車ですけど、車の原始的な楽しみ方ができて気に入っていますね。車の動きがダイレクトに感じられると言いますか。「車はやっぱ昭和じゃないと」みたいなコダワリがあるのかもしれません。
出かける時はいつもこのランクルで、遠出もしょっちゅうしています。お互いの実家が東北と九州で、帰省の時はさすがに腰が痛くなりますが、車の方は快調に動いてくれますよ。ディーゼルなので、意外と燃費もいいですし。
オフロードもガンガン走りますが、珍しい車種なので、仲間の人たちからはやたらと丁寧に扱われています。段差で下回りをぶつけないか見てくれたり、枝を除けてもらったり。過保護すぎて、オフロードの趣旨が変わってしまっている気もしますが……。
今後は歴代のランクルを制覇してみたいとも思いますね。70とか、80とか。それ以降のモデルはどうですかね、電子制御なんかも多くて、自分たちには新しすぎるかもしれません。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。