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トラウトを大谷登板日に休ませることで、公平性を保っている?

 昨春のキャンプ、大谷はマドン前監督との話し合いの末、シーズンでは「リアル二刀流」と登板日前後のDH出場を解禁した。その結果、欠場はわずか4試合で、「46本塁打、100打点」の好成績を残し、DHの枠は今季も大谷のものとなった。

 他球団に目を移すと、例えばヤンキースのDHはスタントンが34試合で出場。他にジャッジら複数選手で守備の負担を軽減させながらDHを使い回している。

「トラウトも8月で31歳。DHに入って守備から解放されたい日もあるでしょう。ところが、エンゼルスでは大谷がいるため、それができない。特にマドン監督在任時は大谷が希望すればDH出場していた。こうしたことが大谷優遇に映れば、チームには不協和音が生じかねません。あえてトラウトを大谷登板日に休ませることで、公平性を保っているようにも見えます。大谷が投手とDHで孤軍奮闘する姿を見れば、トラウトを含めDHに入れる可能性がある選手からの不満を抑えられるでしょうから」(同前)

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大谷翔平 ©文藝春秋

起用法がトラウトに寄ってしまう「本当のワケ」

 エンゼルスは19年3月にトラウトと12年総額4億2650万ドル(約473億円=当時のレート)の大型契約を結んだ。

「これほど巨額の投資をした以上は回収していかなければならない。2年850万ドル(約8億9000万円)の契約で、来オフFAになる大谷ではなく、起用法がトラウトに寄ってしまうのは仕方ありません」(MLBで長年活動する代理人)

 今春キャンプで、マドン監督はトラウトを中堅からコンバートする構想をメディアにほのめかした。事前に打診もなかったプランに、トラウトは不快感を抱いたとされ、ただちに同監督とミナシアンGMが話し合いを持った。監督は翌日、発言を撤回。トラウトは今季も中堅しか守っていない。

 打順もトラウトに有利に組まれているように映る。今季は「1番大谷、2番トラウト」で開幕し、その後「2番大谷、3番トラウト」などを挟み、間もなく今の「2番トラウト、3番大谷」に落ち着いた。昨季はトラウト離脱前まで「2番大谷、3番トラウト」で、ちょうど入れ替わった形だ。