ゴールデンエイジ時代に親がどう子供と関わったかが大事
小2と言えば満8歳。スポーツ界では、成長に個人差はあるものの、9歳から12歳までをゴールデンエイジと呼び、基本的な運動能力が最も発達する時期とされている。技術やセンスが一挙に磨かれるこの時期に、自分の好きな競技にどれだけ打ち込み、自ら学ぶ心をいかに養ってきたかで、その後の運動能力が決まると言われている。
一方、それ以前の3~8歳までの“プレ”ゴールデンエイジ時代に色んな運動に親しみ、ゴールデンエイジまでに特定の競技が好きという感情が芽生えていることも大切だ。子供は好きにならなければすぐに飽きてしまうし、親が無理やりやらせても子供の能力は開花しない。そのため、プレも含めたゴールデンエイジ時代に親が子供とどうかかわってきたかが大きなポイントになる。
数年前、大谷や藤浪、萩野らの実家を訪ね、両親にインタビューしたことがある。親たちは子供の能力の引き出し方を熟知していたわけではないが、みな同じような育て方をしていた。そして選手たちは3歳のころから父や母、あるいはきょうだいとの遊びの中からその競技を選んでいる。父や母が楽しそうに遊んでくれれば、その競技そのものが楽しいと子供は思う。
大谷の母は「翔平は主人と遊ぶ野球が最も楽しかったみたい」
大谷の母・加代子さんが語っていた。
「体を動かすことが大好きだった翔平はバドミントン、サッカー、バレーなどなんにても興味を持ち、水泳では選手コースでした。でも、主人と遊ぶ野球が最も楽しかったみたいで、小学2年の時にリトルリーグに入りたいって。それから野球一筋ですね」
運動能力が発達するゴールデンエイジで最も大事になるのが、指導者だ。羽生や萩野らは個性を大事にするコーチに恵まれ、大谷や藤浪、奥原らは父が指導した。大谷の父は元社会人野球選手、藤浪の父は高校球児、奥原の父は高校の物理の先生で、バトミントンを理論的に指導。親も子も土日が休みだったことで、十分に遊ぶ時間が取れたことが幸いした。