7月20日、第167回芥川龍之介賞(日本文学振興会主催)の選考会が東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、高瀬隼子さん(34)の「おいしいごはんが食べられますように」(群像1月号)が選ばれた。
受賞者の経歴は
高瀬隼子さんは1988年生まれ。立命館大学文学部卒。2019年「犬のかたちをしているもの」で第43回すばる文学賞を受賞しデビュー。芥川賞は2回目のノミネートだった。
〈作品〉「犬のかたちをしているもの」2019年すばる11月号、単行本は20年集英社刊。「いい子のあくび」20年すばる5月号。「水たまりで息をする」21年すばる3月号=第165回芥川賞候補、単行本は同年集英社刊。「おいしいごはんが食べられますように」22年群像1月号、単行本は同年講談社刊。
芥川龍之介賞は、菊池寛(明治21年~昭和23年)が直木賞とともに、昭和10年に制定したもの。雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文学の中・短編作品のなかから、最も優秀な作品に贈られる。正賞は懐中時計、副賞は100万円。「文藝春秋」9月号(8月10日発売)に受賞作全文と選評が掲載される。
現在の選考委員は、小川洋子・奥泉光・川上弘美・島田雅彦・平野啓一郎・堀江敏幸・松浦寿輝・山田詠美・吉田修一の各氏が務めている。
■第167回芥川龍之介賞 候補作(掲載誌)※作者五十音順・敬称略
小砂川チト「家庭用安心坑夫」(群像6月号)
鈴木涼美「ギフテッド」(文學界6月号)
高瀬隼子「おいしいごはんが食べられますように」(群像1月号)
年森瑛「N/A(エヌエー)」(文學界5月号)
山下紘加「あくてえ」(文藝夏季号)