夕方に駅のキオスクなどで見る「タブロイド紙」ってどんなイメージがありますか。日刊ゲンダイと夕刊フジのことです。

 おじさんが読むもの? 下世話? ゴシップだらけ?

 どれも当たっていると思いますが、あの刺激的で高カロリーな見出しや記事には今の世の中の雰囲気が反映されていると感じることもしばしば。なので意外と貴重な存在ではないかと私は考えます。

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 それぞれのキャラを言うと夕刊フジは保守派で日刊ゲンダイはいつも政権にかみつきまくっている。対照的な2紙ですが、安倍晋三元首相が銃撃されて亡くなって以降はさらに両紙の興味は二分しているのです。

フジ、ゲンダイの紙面を見てみると…

©JMPA

 たとえば7月20日の一面。この日はフジもゲンダイも「炎上」というキーワードを一面見出しに使っていた。こちらです。

『「国葬」発言炎上 自民幹部異論封殺』(日刊ゲンダイ)

『「安倍川柳」大炎上に質問状 朝日新聞の言い分』(夕刊フジ)

 同じ「炎上」でも興味を持つネタが全く違います。実はどちらも安倍氏の国葬関連というのは同じ。しかし「炎上」の内容が違うのだ。読み比べの醍醐味です。