〈あらすじ〉

 カナダ、ケベック州。1960年のクリスマスに、ザック(マルク=アンドレ・グロンダン)はボーリュー家の5人兄弟の4男として誕生。信心深い母親(ダニエル・プルール)は、彼には特別な才能があると信じていた。

 徐々に同性に惹かれていくザックだったが、保守的な父親(ミシェル・コテ)にとって理想の息子でありたいという思いから葛藤を抱えるように。やがて20歳になった彼は、本当の自分を見つけるために、聖地エルサレムへと向かう。

〈解説〉

 2021年に急逝した『ダラス・バイヤーズクラブ』のジャン=マルク・ヴァレの、2005年監督作。フランス系カナダ人の青年が自身のアイデンティティ確立にもがく青春映画。129分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆主人公(5人兄弟の4男)の幼年時代を演じた男の子が抜群に面白く、かわいい。60〜80年代の時代色と音楽を楽しんだ。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆宗教やジェンダーの屈折を通過儀礼に絡めて影を濃くしようとしているが、摩擦や和解の姿が型通り。もっと縮められる。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★☆☆騒がしいのに孤独、鬱陶しいのに大好き、そんな家族愛の物語。母の包容力と父のイケメン的指導に抱きしめられるよう。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆レコードから流れる曲が彩る人生万華鏡。「男らしさ」の抑圧を巡る青年と家族の年代記。05年の旧作だが今観ても力強い。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆ヴァレ監督がこんなに魔法の掛かった作品を残していたとは! 訃報に溜息漏れる。パッツィ・クラインの音楽も沁みる。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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© 2005 PRODUCTIONS ZAC INC.

『C.R.A.Z.Y.』(カナダ、モロッコ)
7月29日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー
http://www.finefilms.co.jp/crazy22/