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《白昼の強盗殺人》「首にはうっすらと赤くなった手の痕が…」近所から慕われた高齢女性を素手で絞めた31歳容疑者の“狂気”と“短絡的な犯行理由”

2022/07/29

genre : ニュース, 社会

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 そもそも浦容疑者が久保さんの家に入ったのは、恨みでも殺害目的でもなかった。兵庫県警加古川警察署に任意同行を求められた浦容疑者は、こう供述したという。

「久保さんの家に入ったのは、カネを盗むためです。寝室やほかの部屋を物色していたが、見つかったので殺してしまった」

あまりにも場当たり的な犯行だった

 浦容疑者が金目のものを探して家の中を引っかき回していた時、夫妻はどちらも寝ていた。だが戸棚や引き出しを開けて室内を物色するうち、物音に気づいた久保さんが起き出し、浦容疑者は焦った。近所同士、顔を見られれば、素性は分かる。「泥棒に入ったのがバレてしまう」と。

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 我を失った浦容疑者は、後ろから久保さんの首を素手でつかむと、一気に絞めた。声を上げる間もなかっただろう。

「よりによって、なぜ自宅のすぐ前の家に入ったのか。今後の捜査で明らかにすることだが、それにしても考えなしがすぎる。堂々と昼間に侵入しておきながら、起きた被害者と鉢合わせていきなり絞め殺すという点も、あまりにも場当たり的だ」

 と、捜査関係者もあきれるほどの短絡的な行為だった。

NHKNEWSWEBより

 とはいえ、久保さんを手にかけた浦容疑者はさすがに動転したのか、一度向かいにある自宅に戻っている。

「通報したのは、自宅に帰ってからです。盗みに入ったことがバレないように殺したにもかかわらず『後から改めて考えてみたら怖くなった』とも供述しています。身勝手でもありますが、事件の発覚前に自分から通報しているので刑法上の自首が認められるでしょう。これは減刑の理由になりますが、被害者のことを思えば何ともいえません」(前出の記者)

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