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1人で暮らす家のポストには郵便物が溜まりがちだった
久保さんと夫は、地域で慕われる夫婦だった。登下校で通りかかる子どもたちを見守り、優しく声をかけるのが日課だった。近隣住民の1人は「いつも元気で、穏やかな人だった。夫婦仲もとても良さそうで、間違ってもトラブルを抱えるような人ではない」と、その人柄を悼む。
一方の浦容疑者は不在が多く、近所付き合いと呼べるものはほとんどなかった。1人で暮らす家のポストには郵便物が溜まりがちだったという。だが、兵庫県警の調べによると定職には就かず、仕事もしていなかった。その挙げ句、「カネがなくて困っていた」と起こした事件だった。
加古川警察署で事情を聴かれ続けた浦容疑者は、日付が変わった28日未明に強盗殺人と住居侵入容疑で逮捕された。盗みに入るだけだったはずの行為は、一瞬の狂気により最高刑が死刑の罪になった。
何より、誰からも親しまれ、何の落ち度もなく殺された被害者はもう二度と還らない。