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「最後まで生きるつもりだった…」不明のままの家族 届いたのは7歳息子のリュック 知床観光船沈没から3カ月

source : 提携メディア

genre : ニュース, 社会

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観光船ドルフィン 菅原 浩也 社長:
ツアー会社は全部キャンセルです。個人のお客さんも多いんですけど、「来年は来ますから…」という感じですね。売上は3分の1から5分の1くらいになっています

安全対策を強化するため、ウトロを拠点とする小型観光船3社は単独で出航しないなどの自主ルールを決めた。さらに緊急時に備え、船内に新しい警報機や業務無線などを設置。

 

田中 うた乃 記者:
こちらが新たに設置したビルジ警報機というものです。規定以上の水が船体に入ると警報が鳴る仕組みです

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救命いかだはひもを引くと自動で膨らみ水に浮かぶもので、1台で8人まで乗ることができる。

 

安全対策が進められる中、この日、船には30人ほどが乗っていた。全員ライフジャケットを着用し、知床岬の手前までの短いコースをめぐる。
乗客は知床ならではの景色を堪能したり、野生の動物の写真を撮影したりしていた。

乗船客:
素晴らしい景色が見られて、とても楽しかったです。正直、はじめは心配でしたし、小さい船でどうだろうなと思いながら乗ったんですけど、安全に走行していて、天気もよかったので心配せずに乗っていました

募るくやしさ…「二度と起こしてはならない」

斜里町の役場には、いまも多くの献花やメッセージなどが置かれている。献花は週に40束ほどあり、職員が交代で1日2回、手入れをしている。

 

斜里町 保健福祉課 茂木 千歳 さん:
とにかく皆さん、行方不明の方が見つかってほしいという思いがあって、切実な願いがこもっているお花なので、できるだけその思いが伝わればいいなと思って、手入れをさせていただいております

事故発生当初から対応に当たってきた馬場隆斜里町長は、この3か月をこう表現する。

斜里町 馬場 隆 町長:
まだ行方不明者が12人いらっしゃる中では、本当に日々、悔しさが募ってきております。お客様が、知床を選ばなかったら良かったのか。船に乗ることを選ばなければ良かったのか。様々なことが私の頭の中をぐるぐる巡りまして、本当に悔しさがいつも占めている。そんな状況ですね