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建設工事ではご法度の行為に手を染めていた

「予算に余裕のある計5つの現場に、本来より高い原価を計上し、その差額を業者への支払いに充てていた。いわゆる原価の“付け替え”で、建設工事ではご法度の行為です。しかし、業者への未払い分はなかなか埋まらず、会計不正の自転車操業のような状態に陥っていました」(同前)

 2019年から利府町のイオンモールの工事が開始。A所長は工事代金を肩代わりしている業者らに「利府の工事で全部返すから」と伝えていたという。

「ここで確認されているだけで、業者に対し3億7000万円の架空発注が行われていました」(同前)

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 不正が発覚したA所長には、7月15日付で「諭旨解雇」「退職金10%減額」という処分が下された。

西松建設の髙瀨伸利社長 ©共同通信社

 西松建設に問うと、広報課がこう回答した。

「当社の元社員が、2014年頃より5カ所の建設工事において、工事収支の悪化を隠蔽するため、協力会社への約9億円の原価を別の工事に付け替えるという不正な会計処理および協力会社との不適切な関係があったことは事実です。当社は、このような不正行為が発生したことを重く受け止め、二度と同様の事案が発生しないよう管理体制の強化ならびに社内教育を改めて徹底するなど再発防止に努めてまいります」

 8月3日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および「週刊文春」8月4日(木)発売号では、同社の北日本支社長が不正発覚を受けて開いた臨時幹部会の様子や、その席で幹部に“口止め”した事実、A所長の私的流用、さらにイオンモールの担当者も接待を要求していた疑いなどについて報じる。

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