「1997年生まれの女性。契約金と月の報酬で私を売ります」
その後も「1997年生まれの女性。身長166センチ。200万ウォンの契約金と月200万ウォンの報酬で私を売ります」という書き込みや「姉を売りたい」「障害者の身内を売りたい」など非常識な書き込みは後を絶えない。
そのような書き込みが相次いだことから、マーケット側は、「コミュニティガイドライン」を発表。家族、友人、知人などの生命を販売する行為、身体・臓器を販売する行為、生命の尊厳を自ら捨てる行為、殺害を依頼したり暴力行為を依頼する行為などに関する文書の掲示を禁止したり、発見次第、捜査機関に通報するとの内容が盛り込まれた。
13億円分ものブランド品と“税金逃れ”
人参マーケットで取り引きされる商品の中には、それ自体が犯罪となるものもある。21年7月には、「青少年に5万ウォンで住民登録証(韓国の成人が持っている身分証)をオーダーメイドする」という内容で、偽造の住民登録証のサンプル写真が掲載されていた。このような書き込みは、何もこのマーケットに限ったものではない。様々な中古品取引サイトやFacebook、Twitterなどでも「身分証明書偽造」と書かれたものがたびたび発見される。
21年の12月には、ワクチンパスを譲ってほしいという書き込みも見つかった。防疫当局が管理するワクチンパスアプリのほか、ネイバーやカカオアプリなどからもワクチンパスを受け取ることができる。
当該人物は「接種完了者のネイバーIDを5万ウォンで購入する」と、ワクチンパスを譲ってくれる人を募ったのだ。むろん、このような行為は「公文書偽造罪」に該当し、韓国で10年以下の懲役刑に処される重犯罪だ。
一方で、フリマアプリでの取引は課税されないという税制の抜け道を利用し、脱税に利用する場合もある。21年10月、複数のコミュニティに、人参マーケットで高価な品物の売買を繰り返すある女性についての書き込みが行われた。
江南に住んでいるこの女性は、「ロレックスGMTマスター2」を1億6500万ウォン、「ピアジェポロ」の男性腕時計を8999万ウォンなど、計130億ウォン分のブランド品を販売してきたという。
コミュニティの住人たちは、この女性について正規の販売業者が事業にかかる税金を逃れるために人参マーケットを利用しているのではと疑ったのだ。このような問題は、国会でもたびたび議論されてきた。
他のアプリと違って本人確認をする必要がない人参マーケットは、携帯電話の番号を入力するだけというシンプルな加入手続きで会員を急増させた。もっとも、身分確認が不要という死角だらけの空間では犯罪も多発しやすい。