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傍聴人「これ、嘘ついてんな。な、な?」

 と、ツッコミを入れたのです。もちろん傍聴席は私語禁止。喋るだけでもアウトなのに結構な大声。しかも、社会科見学なのか数人で固まって傍聴している男子高校生グループに同意を求めているんです。

続く被告人質問。しかし…

 これは裁判官から注意されて、最悪の場合は退廷命令を言われるかもなぁ……と思って見ていたら、裁判官の所まで声が届いていないのかノーリアクション。何の注意も無いんです。これが大阪のルールなのか……?

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弁護人もちょっと傍聴席の方を気にしつつ、被告人質問継続です。

弁護人「12レースは何時に終わるんですか?」
被告人「場所によって違いますけど、午後4時20分くらいです」
弁護人「あなたが盗んだのは11レースと12レースの舟券1枚ずつですね。起訴状では午後4時08分に盗んだと書いてありますけど、この盗んだ時間はレースが始まる前ですか?後ですか?」
被告人「え~っと、11レースが午後3時55分スタートで、12レースが午後4時20分です」
弁護人「じゃあ、11レースは始まっていた、と。競艇って一つのレースはどれくらいで終わるんですか?」
被告人「2分くらいで決まります」
弁護人「結果はどうだったか知ってますか?」
被告人「ハズレだったと聞いてます」
弁護人「あなたが盗んだ舟券は2枚ともハズレだったわけですけど、盗んだ時点で1枚はすでにハズレが確定していたんですね?」
被告人「はい」

盗んだ時点で1枚はすでにハズレが確定していた ©iStock.com

被告人の発した一言に傍聴人は…

 スタート前の12レースの舟券はさて置き、レース結果が確定した11レースのハズレ舟券は財産的価値が無いから単なる紙クズを盗んだだけというアピールをしたのです。

 すると、これを聞いた傍聴席の高齢女性が再び動き出し、