2022年上半期(1月~6月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。裁判部門の第1位は、こちら!(初公開日 2022年1月30日)。
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2020年6月、3歳の長女を自宅アパートに9日間置き去りにし、衰弱死させたとして保護責任者遺棄致死などの罪に問われている母親の梯沙希(かけはし・さき)被告(26)。2022年1月27日に開かれた裁判員裁判の初公判で、梯被告は起訴内容を認めた。
そして、1月28日の第2回公判では、梯被告自身が受けていた虐待の内容や、男女関係や金銭問題での“流されやすい”性格が明らかになった。(全2回の2回目。1回目を読む)
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嫌と言えない性格はセックスにおいても同様だったと明かす。ラーメン屋で知り合い交際に発展した元夫・Aさんからは「俺は基本(ゴムを)つけないから、もしできたら、金払って堕ろせばいいから」と言われたというが「えーそうなんだー」と答えていたのだそうだ。
「避妊してと言ったことない。これまでの人もほとんどしてくれなかった。もしできちゃったら妊娠……不安、めちゃくちゃありました。怖いとか不安が大きかったです。でも(相手に伝えることは)ないです。言えないから。怖くて言えないです」(同)
こうして意思を伝えられないまま稀華ちゃんを妊娠した。すると気持ちに変化が生じたという。
「妊娠前は、誰とも結婚したくない、子供もいらない。もういいや、と思っている自分がいましたが、どこかで、幸せになりたいとか、誰かに愛されたいという気持ちもあって、もし家族ができるとするんだったら、幸せな家庭がいいなと思ってました。いい意味で、気を使うけど、他愛もないこと喋って、帰ってきたら、落ち着くとか、楽だなとか、そんな家族がいいなと思ってました」(同)
Aさんは中絶を提案したこともあり、梯被告も「どうしていいか分かんない」と思っていたというが、中絶可能な週数も過ぎ、出産に至る。そののち入籍したが、稀華ちゃんが1歳になる前にふたりは別れた。タレントのように容姿の整ったAさんは同日の証人尋問で「自分に原因があった」と涙ながらに語ったが、梯被告はそれが「暴力や暴言」だったと述べた。シングルマザーとなり、蒲田に移り住んだが、児童扶養手当が受け取れることを知らず、申請したのは離婚から9ヶ月後だった。