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「髪の毛がついたまま頭皮をベロンとめくる」

――整形する時に怖さは感じなかったんですか。

ヴァニラ 怖いなって気持ちもあるんですけど、それよりも今の顔でいるぐらいだったらどうにかしたい、綺麗になりたいって気持ちの方が先行しちゃって。痛みはそこまでですね。「痛みは強い方でしょ」って言われるけど、全然強くなくて。持続する痛みだとキツイですけど、痛みってその時くらいしかないから耐えられるかな。

――数々の整形手術を受けてこられたと思いますが、ご自身の中で一番痛かった整形手術はなんでしょうか。

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ヴァニラ “おでこ”が一番痛かったですね。後頭部、全部切開しているんですよ。後頭部を横にメスを入れて、頭皮がついたままベロンとめくって。おでこに人工骨を入れて、ボルトで2か所止めて縫いました。どんな状態だったのか、オペ中の動画撮ってもらえばよかったな(笑)。

 鼻の整形も同時にやったので、鼻の痛みもあったかもしれないですけど、おでこは壮絶な痛みでしたね。本当に痛すぎて2週間は起き上がれなくて。整形した病院に入院システムがなくて、車いすを貸してもらって車いすで帰されたんですけど、家にも1週間帰れなくて家の近くのホテルをとりました。私はその時立つこともできなくて、2人に抱えられてトイレに行くくらいでした。病院から痛み止めの座薬や飲み薬をもらっていたけど、そんなので抑えられるレベルじゃなくて、毎日病院に通って点滴や注射で痛み止めを入れてもらってました。点滴しても抑えられるレベルじゃないんですけど、まだ一番即効性もあるし効き目が強かったので。

 徐々に痛みはマシになってくるんですけど。今までの中ではダントツで痛いです。もう二度とやりたくない手術ですね。本当に寿命が10年ぐらい縮まったんじゃないかっていうしんどさでした(笑)。

©文藝春秋(撮影・宮崎慎之輔)

――おでこの手術は何が目的だったのでしょうか。

ヴァニラ おでこに凹凸を出すためにちょっと高さを出したかったんですよね。鼻を高くしても日本人の骨格だと、おでことアゴも一緒に出さないと綺麗な横顔のEラインが作れなくて、ポットみたいな顔になっちゃうんです。鼻だけ付いている、付け鼻みたいになっちゃうので。私の目指すフランス人形的な、北欧系、欧米系の顔にするためには、おでこ出さないといけないんです。目を奥にすることはできないので、おでこを出すみたいな。だから鼻とおでこは一緒にやりましたね。高さを合わせるために。

――おでこの手術をしたのは何年前のことですか? どれくらいの費用がかかったのでしょうか。

ヴァニラ 10年くらい前で、300万円ぐらいですかね。勢いでやっちゃったので、もちろん怖いなって気持ちもあったし、これは大変なんだろうなっていうのも分かっていたけど、完成した自分を思い描いていて。手術した人の症例写真を見て「あ、きっと私だとこうなるのかなぁ」って。