セアカゴケグモ
セアカゴケグモは背中に赤いラインが入った毒グモだ。一昔前に貨物船に引っ付いて日本へ入ってきた種類で、当時はメディアが大騒ぎしたので印象に残っている方もいるのではないだろうか。こいつはα-ラトロトキシンという神経毒を持ち、咬まれるとめちゃくちゃ具合が悪くなる。
小学生のころ、朝のニュースで騒いでるのを見ながら「いつか見つけたいなあ」とぼんやり思っていて、つい最近初めて捕獲に成功した。
セアカゴケグモは草むらよりも、人工物に引っ付いていることが多い。公園のベンチの裏や排水溝など、人間の膝よりも下に巣を作るのだ。
僕がセアカゴケグモを捕獲した公園でも、転落防止用の柵のちょうど足首くらいの高さに営巣していた。巣がある場所を一度見つけたら目が慣れてきて、だいたい1メートル感覚で巣が作られていることに気がついた。
そして、この公園はセアカゴケグモがいることでそこそこ有名なのに、どうして根絶できないのか、その理由もわかった。こんな小さな生き物を人間の目で見つけるだけでも難しいし、ましてや大量繁殖しているセアカゴケグモを駆逐するなんて無理な話なのだ。
セアカゴケグモはどこにでもいるっていうわけじゃない。だけど、いるときは数百匹という単位で大量に棲みついていることもあるので、セアカゴケグモが発見された場所でベンチに座るときは少し気をつけたほうがいい。
毒グモなので、食べることは積極的におすすめはできない。僕は毒をちゃんと処理したうえで素揚げで食べてみたが、サクッとした食感に、かなりの香ばしさと甲殻類のような濃い旨みと甘さを感じた。こんなに美味しい揚げ物は久しぶりで驚いた。サイズが小さいのが残念なくらいだった。
お店のメニューにセアカゴケグモの素揚げがあったら絶対に注文したい。