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サバイバルナイフを依頼者の夫に突き刺し…

 翌7日未明、自宅に招き入れられた小西被告と酒井被告。深雪被告が寝ている被害者を指さすのを確認すると、報酬の確認をする前に、酒井被告がサバイバルナイフを被害者に突き刺した。しかしすぐに目覚めた被害者に抵抗され、2人は逃走。検察側冒頭陳述によると、後に小西被告は「俺も思いっきり斧でやっちゃえばよかった」などと酒井被告に話したという。

 裁判では、おおむね事実関係に争いはなかったが、罪に問われている殺人未遂事件について、小西被告側は無罪を主張。報酬をもらう前に酒井被告が刺したため、「50万円」で合意した殺人とは関係がないという趣旨の主張をしたのだ。

「しかし坂田威一郎裁判長は『(酒井被告は)事前共謀に基づく犯罪を先走って実行したに過ぎない』『報酬を受け取ればそのまま殺害を実行するのだから故意に欠けるところはない』と切り捨てました。

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 検察側による『小西被告が被害者の口を押さえた』といった主張を認定しないなど、検察側の主張の満額回答ではありませんでしたが、坂田裁判長は『50万円の報酬ほしさから、SNSを通じて、見ず知らずの被害者の殺害を安易に引き受けた』として『動機に酌量すべき事情はなく、人命軽視の態度が甚だしい』と懲役8年を言い渡しました」(同前)

現場アパート ©文藝春秋

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 小西被告はこうした甘言のなかで、手っ取り早く金を稼ごうと最も報酬の高い「恨み晴らし代行」を選んだのだ。しかし「50万円」と「人命」は明らかに釣り合わない。検察側によると、未明に寝込みを襲われた被害者は現在も心理的なトラウマに苦しめられているという。

 今後の裁判には、深雪被告が出廷する。夫への殺害依頼をした動機は明らかになるのだろうか。注目が集まる。