久しぶりに食べたマリンスタジアム名物のもつ煮込みはやはり別格だった。
食べ歩いた煮込みは全国2000軒以上。北は北海道、南は沖縄まで大衆酒場を中心にご当地の煮込みとそれに合うお酒を求め全国を食べ歩いている。土着の文化が染み込んだ煮込みは全国各地で様々な表情がありその土地の歴史を感じることができる。
味噌汁より歴史があるといわれている煮込みは労働者の滋養食として広まり、月島の岸田屋や森下の山利喜、立石宇ち多゛など東京には三大煮込みや五大煮込みが存在する。
そんなあらゆる名酒場に引けを取らない煮込みがマリンスタジアムのバックスクリーン裏サンマリンにある。
試合前は船橋で途中下車して1軒目へ
中央線沿いにある自宅からマリンスタジアムまで約1時間半。
試合開始の時間から逆算し余裕をもって3時間前に家を出発、総武線に乗り換えて船橋で途中下車するのがここ数年のお気に入りになっている。
船橋には朝からやっている大衆あさひや一平、増やまなど明るいうちから飲める名酒場が何軒もあり、関東を代表する昼飲みスポットとして東京の上野や赤羽顔負けの賑わいを見せている。
“今頃マリーンズの選手が試合に向けてウォーミングアップを始めている”なんてことを想像し、自分も1軒目のあさひで生ビールとお刺し身盛り合わせで内臓ストレッチを開始する。
2軒目は一平か増やまか迷った末、一平をチョイス。独特な牛煮込みが名物だがお楽しみの煮込みはマリンまで我慢、変形のカウンター席に座りハムカツと酎ハイでしっかり肩を温めて試合開始に向けてゆっくりと準備をする。
しっかり温まったところで一平を出て、船橋駅まで歩いている間にピンストライプのユニフォームを着て再び電車に乗り徐々に気持ちを高める。
試合開始の30分前、レフトスタンド側のホーム応援席に到着。
土日や佐々木朗希が先発じゃない日のこのエリアはソーシャルディスタンスが保たれていて、口開け(開店直後)の比較的すいている名酒場でカウンターに座り、メニューを見ながら何を頼もうか悩んでいる時と同じようなわくわく感がある。
席に着くや否や売り子さんからスーパードライの生ビールを買いスタメン発表に合わせてグビッと流し込む。
谷保さんの美声でスターティングメンバーが発表される。すぐに出るガツ刺し的存在の1番荻野から安定感あるポテサラ的存在9番松川まで、最高のスターティングメンバーが生ビールを加速させる。6番に入ったハムカツの山口という名前だけで2杯は飲めてしまう。
■この日のスターティングメンバー
1番 レフト荻野(ガツ刺し)
2番 センター高部(アジの刺身)
3番 セカンド中村奨(牛すじ煮込み)
4番 ファースト井上(唐揚げ)
5番 指名打者レアード(カリフォルニアロール)
6番 ライト山口(ハムカツ)
7番 サード茶谷(ニラ玉)
8番 ショート藤岡(厚揚げ)
9番 キャッチャー松川(ポテトサラダ)