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小野 自分がないっていったら変ですけど、尖った個性もなく、デビュー後はオーディションを受けては落ちてという状態でした。

 事務所にはすごくお世話になっていたし、せっかく期待してもらったのに、長い間ずっとうまくいかなかったので、グラビアでも何でももらえる仕事は「やります!やります!」という感じでした。それと前後するように「アコム」のCMが決まったので、流れで写真集のお話をいただくようになったんです。

写真=佐藤亘/文藝春秋

人生が変わった“はじめてのアコム”

――小野さんといえば消費者金融「アコム」のCMで演じた爽やかな社員のイメージが強いですよね。

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小野 人生が変わったお仕事です。オーディションを受けたときは正直、あんなにすごいとは思っていなくって。「CMにちょっと出られるのかな」くらいの気持ちだったんです。それがいざ決まってみると「え、こんなにパターン撮るんですか!?」と(笑)。

 実際、それこそ“見たくなくても目にせざるを得ない”ほど、どこのチャンネルでも流れる出広量でしたし、ずっとドアップで映る演出だったので、これ以上ないインパクトだったと思います。自分でも流れてびっくりしましたし、ありがたかったですね。

写真=佐藤亘/文藝春秋

――先ほど「自分がない」と話されていましたが、アコムのオーディション時は手応えを感じていましたか。

小野 「受かるな」とは思えなかったです。さんざん落ちてきましたし、緊張しいで頭真っ白でしたし……。でも、「絶対無理」と「ありえる」だったら、「ありえる」かもとは思いました。

 オーディションが、カメラをお客さんだと思って接客してください、ティッシュを配ってください、みたいなものだったんですよ。バイトもしていて接客業は慣れていましたし、割と得意分野だなという気がしたんです。あれが「ダンスを踊ってください」だったらもう無理でしたね(笑)。
 

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