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 一方、ジョンはホワイト氏と4階建の広大な邸宅の中を探して回り、午後1時過ぎ、冷たくなったジョンベネを地下室で見つける。ジョンベネはブランケットに覆われ、口にはガムテープを貼られ、首にはナイロンの紐がくくりつけられた状態だった。ジョンはジョンベネの遺体を抱き抱えて階段を上がり、床に横たえた。検視局は、ジョンベネの死因は絞殺と殴打による頭蓋骨損傷と断定したが、殴打に使われた凶器は今も特定されていない。また、ジョンベネの下着には性的暴行が加えられた跡も残されていた。

ジョンベネ殺害事件については、書籍も多数出ている

家族に向けられた疑いの目

 誰がジョンベネを殺害したのか? すぐに疑いの目を向けられたのはラムジー夫妻だった。誘拐事件の場合、家の中で誘拐された者が見つかることは珍しく、また、何者かが家に押し入った形跡が見られなかったことから、家の中にいた者の犯行ではないかと警察に目されたのである。メディアも“ラムジー夫妻犯人説”を書き立て、ジョンベネはジョンに性的虐待を受けていたのではないかという疑惑まで報じられた。

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 ジョンベネのオネショ癖に頭を悩ませていたとされているパッツィーも疑われた。オネショをしたジョンベネに怒りをぶつけたあまり、意図せずして殺してしまい、それを隠蔽するために、誘拐に見せかけたのではないかという憶測が投げかけられた。また、脅迫状が書かれていた紙や書くのに使われたペンがパッツィーが所持していたものであること、筆跡がパッツィーのものに似ていること、ジョンベネの首に巻きつけられていた紐の端がパッツィーの絵筆に縛り付けられていたことも“母親犯人説”に真実味を帯びさせた。