文春オンライン

〈福岡OL死体遺棄事件〉被害者宅で密かに発見されていた猟奇的な“あるもの”とは

福岡OL死体遺棄事件 #2

2022/08/18

genre : ニュース, 社会

note

A子さんの時計を質入れしていた男

 その直後、事件が一気に解決に向かうかと思わせる出来事も起きている。A子さんの時計を質入れしていた福岡市在住の30代の男性Dが、4月28日に別の物品についての窃盗容疑で逮捕されたのだ。Y記者は振り返る。

「当初は事件への関与の可能性から、捜査本部も沸き立ったのですが、Dは『パソコンを質入れしようとした際に、(時計を質入れしたのとは)別の質店の前で拾った』という証言をしており、その内容に矛盾がなく、A子さんとの接点もないことなどから、事件とは関係ないとの結論が出されました」

 以降、福岡県警は10年12月15日から1年間の期限を設け、懸賞金300万円(上限額)をかけた、情報提供の呼びかけを始めた。

ADVERTISEMENT

事件解決のため情報提供を広く呼びかけ

 このチラシには「福岡OL死体遺棄事件」との文字が大きく記されており、〈平成22年3月5日(金)の夜から、行方不明であった福岡市内居住のOL××さん=原文実名(当時32歳)が、3月15日以降、福岡市能古島、博多湾内において遺体で発見されました。〉と書かれ、〈事件解決のため 情報をお寄せください。〉とある。

 画像としては遺体発見場所の地図と、A子さんの写真3枚が添付され、写真のうち1枚は防犯カメラ映像と思しき、グレーのパンツスーツ姿で財布を手に歩く彼女の全身写真で、キャプションには〈平成22年3月5日(金)/被害者が最後に目撃された際の服装/グレー系のパンツスーツ姿/体格162㎝・中肉・黒髪〉とある。

福岡OL死体遺棄事件チラシ

 この「公費懸賞金制度」の対象には、1年後の11年12月にも再指定されたが、有力な情報が寄せられることはなく、翌12年12月に再指定されることはなかった。

 その後、14年2月に交通事故の相手だったCが、A子さんとの交通事故の示談書1通を偽造したとして、有印私文書偽造・行使の疑いで逮捕された。この際もCの自宅が家宅捜索を受けているが、それ以上の新たな動きには繋がっていない。

 じつは、A子さんの室内の状況について、これまでは、「風呂場の扉ガラスとベランダの窓ガラスの一部が割れていたことを除けば、室内は目立って荒らされておらず、(中略)とくに血痕や尿の付着は確認されていません」(福岡県警担当・X記者)との情報しかマスコミには洩れていなかった。ところが、実際には室内で“あるもの”が発見されていたというのだ。福岡県警担当のZ記者は言う。