コロナ禍で経営が悪化した医療・福祉施設に対し、独立行政法人「福祉医療機構(WAM)」が支援資金を融資する制度。その仲介を装って、貸付金を騙し取ったとして、大阪府寝屋川市議の吉羽美華容疑者(42)ら5人が詐欺容疑で逮捕された。

 そんな吉羽が総合格闘技「RIZIN」の名刺を配り歩いたり、夫と金塊の写った写真を見せてゴールド投資に勧誘したり、これまで多くの金銭トラブルを抱えていたことが、「週刊文春」の取材でわかった。

学生時代は政治経済の先生になりたかったという

 今回の詐欺グループでは“紅一点”だった吉羽。「市議の名刺を見せて信用させる役割」(グループをよく知る関係者)だったという。

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 大学卒業後、スポーツクラブのインストラクターとして働いていた吉羽はやがて政治の世界を志す。頼ったのは、地元選出の元民主党衆院議員の樽床伸二氏だった。そして2007年、26歳で地元の寝屋川市議に初当選を果たした。

 その後、2012年の衆院選に民主党から、翌年の参院選には新党大地から出馬するも相次ぎ落選。2014年に自民党の谷川とむ衆院議員と結婚し、一男を儲けるも、16年に離婚している。その後は阪南市長選に無所属で出馬して落選。17年には希望の党から衆院選に出馬するも落選している。

 無職が続いた時期、吉羽が周囲の人々を熱心に勧誘していたのが仮想通貨取引だった。