1ページ目から読む
2/2ページ目

レギュラーが9人では足りないほどの野手陣

 しかし問題は野手陣です。投手陣が年間157勝するためにはど~~~しても、野手陣の奮起が必要なわけですから。

 果たしてそんなことが期待できるのか。いや、どう考えたってできますよ。だって良くも悪くも、ここまで期待値ほどの成績を残せていない選手ばかりなのですから。ゆえに今は才能が開花するまで秒読み段階なのです。

 まずは内野陣から妄想してみましょう。まず期待の筆頭は山口航輝。すでに8月に入って覚醒の兆候が見え始めていますし、来年こそ30発やってくれるはず。故障が癒えた井上晴哉は4年ぶりの20発が狙えるでしょうし、レアードだって調子を取り戻せば寿司30貫くらい余裕で握りますよ。

ADVERTISEMENT

 そうなってくるとマークが分散し、伸び悩んでいた安田尚憲も躍進すること間違いなし。低く見積もっても.280の15本くらいはマークし、安定して打点を稼いでくれることでしょう。もちろん秘密兵器・平沢大河も最終形態に進化してくれるはず。二塁打&四球マシーンと化してOPSを荒稼ぎするのではないでしょうか。.290の10本くらいはいけるでしょ!

 キャプテン中村奨吾もそろそろ自身初の打率3割をマークしてくれそうですし、適度に休みを挟みながらなら藤岡裕大も盤石。貴重な右打ち内野手の茶谷健太、盗塁に磨きをかけつつある西巻賢二に三木亮、小川龍成、池田来翔、福田光輝などが脇を固めたら、もう内野のポジションがいくつあっても足りません!

 日本一になった2005年は二遊間を小坂誠・堀幸一・西岡剛の3選手でローテーションしましたが、その令和版が見られると思うとゾクゾクしてきますね。

 外野陣だって最強です。今季飛躍した髙部瑛斗はトリプルスリー(3割・30本・30盗塁)を高確率で狙えるでしょうし、藤原恭大も万全で臨めれば外野の一角を担うはず。夏男だという説もありますが、地球温暖化は進んでいますし、猛暑の1年になればフルシーズンやってくれるに決まってます。

 代走の切り札だった和田康士朗もいよいよ“和ギータ”の異名にふさわしいスイングでレギュラーを奪いにかかり、そこに勝負強い菅野剛士やサヨナラ男の岡大海もいるとなれば、ベテランの荻野貴司も休養しながら1年戦えます。試合に出れば1番レフトで3割マークは堅いでしょう。

 二軍を見ていれば未来の主砲候補の西川僚祐と山本大斗が出番を待ちわびていますし、福田秀平、角中勝也の両ベテランがここぞの場面で活躍を見せたらまったく隙がありません。今季大不振のマーティンだって本領を発揮できれば献身的なプレーでまだまだ20発は打ってくれるはず!

 捕手は経験を積んで進化すること間違いなしの松川虎生を軸に、田村龍弘がかつて月間MVPに輝いたときのようにいやらしいバッティングができればサポートは完璧。そして捕手だけでなく一塁手もこなす佐藤都志也もまだまだ潜在能力を秘めています。チームに欠かせないジョーカー的な活躍で15本くらい打ってくれるでしょう!

 わっ、こうして妄想してみると今季の貧打が嘘としか思えないほど野手陣も充実してるじゃないですか。スタメンが9人じゃとても足りません。草野球の練習試合のように15人くらいで打順を回させてもらってもいいんじゃないの⁉

ファンの大声援で選手が次々に覚醒

 現有戦力でも潜在能力が最高すぎるのに、ここにルーキーや新外国人が加わるなんて、すごいを通り越して恐ろしいレベルなわけですが、きっとそう遠くない未来にさらに最強の戦力が復帰を果たすことでしょう。ライトスタンドからの声援という戦力が。

 Jリーグでは制限付きで声出し応援も解禁され始めましたし、今後プロ野球でも順次解禁されていくことは間違いなし。……そうか、もしかしたら若手選手たちを覚醒させるスイッチはライトスタンドのマリーンズファンたちが握っているのかもしれませんね!

 ……なんてことを妄想していたら、すっかり楽しくポジティブな気分になってきました。もう僕にはマリーンズの明るい未来しか見えません。

 もし今季のマリーンズを見て悲観的になってしまっている方がいたら、ぜひ全力でポジティブな妄想をしようじゃないですか。そうやって楽しむことができるのもファンの特権なのですから。

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム ペナントレース2022」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/56686 でHITボタンを押してください。

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。