頬の穴からタバコの煙を出す芸も
――ピアスのように穴を維持せず、毎回刺すのはなぜ?
Dr.エクアドル 毎回新たに刺すのは憂鬱なんで、一度、串と同じ径のピアスを入れたことはあるんですが。でも、動きにくさとか日常生活との兼ね合いのほうがめんどくさかった。そうして外したりつけたりしているうちに、ピアスもどこかへいってしまった。
串で貫通させた頬の穴からタバコの煙を出す芸もありますが、抜くと数秒で傷がふさがりはじめるんですよ。その数秒の間に、煙草を吸って頬の穴から煙を出す。あれは、とてつもなく痛い。刺すより痛い。だからまあ、滅多にやりません。
――チェーンを飲み、口と鼻の穴に通す芸もありましたね。昔の見世物小屋では、ヘビを鼻から入れて口へ通す芸もあったようですが。
Dr.エクアドル あれはですね、多分練習してうまくなる部分もあるんですが、向き不向きがあるみたいで。なんか、体が生まれつき適している人はすぐできるよね。
僕もやったことがあって、やってるうちに自分の鎖っていうものが見つかるんですよ。ところが、とある祭りで、その鎖を忘れてきてしまったことがあった。そうしたらその時の興行主である入方君が、自分が使ってるやつを使ってくれと言って。それが、ちょっと僕が普段使っている鎖よりも太いんですよ。これ、太くない? と言うと「いや、太い方が入るんだ」と。そうなのか?と使ってみたけど、やっぱり途中で入らなくなっちゃって。だから、太いのが得意な人とか細いのが得意な人とか、皆それぞれあるみたいで。
ある日、鎖が通らなくなるタイミングが突然来るんですよね。興行中に。逆に、突然入ることもあるけれど。突然来るんで怖いんですよ。何回もやっていれば平気になっていくのかもしれないけど、なかなか難しい。でも、昔、うちの劇団でヘビ女をやっていた小雪太夫はすごい得意だったみたいで、もういきなり鼻の穴に入れて、口から出していた。
――どれも壮絶に体を張っていらっしゃる。