壇上からは、対策委員長の日本人女性が「安倍晋三元首相の銃撃事件について警察の調査がまだ続いているにもかかわらず、容疑者の犯行動機が『家庭連合への恨み』という不正確な情報により歪曲報道が続いている」とし、「これを先導し、信者を拉致・監禁し脱退するよう説得しようとする専門家と、これに協力するキリスト教牧師、共産主義の左派系弁護士を強く糾弾します」と声を上げた。
副委員長の日本人女性も「日本のメディアは事実と関係のない刺激的な偏向報道を止めて、日本での宗教の自由が守られるようにしてほしい」とつなげ、親族に脱退を迫られたという信者は、親族の協力者である牧師に監禁されたと涙ながらに訴えた。
そして、日本人の母親と韓国人の父親の間に生まれたという男性信者は、「日本にいる友人から会社を解雇されたと連絡が来た。理由は統一教会だからと。こんなことがあっていいのか」と叫んでいた。
日本メディアへの抗議を韓国で行う理由
1時間ほど集会を行った後は景福宮から徒歩15分ほどにある東和免税店の入っている建物までの行進が始まった。蛇腹のように続く長い列には驚いたが、デモの多い韓国にあっては見慣れた光景。デモには特に目を留めず、新しくできた光化門広場で思い思い写真を撮ったり、休んでいる人が目についた。
行進に沿って歩道を歩いて行くと、被っていた紙製の白色と水色のサンバイザーを手にした信者たちが引き返してきた。訊くと、「戻れっていわれて」と言う。引き返してきた信者に、どうして日本メディアへの抗議を韓国で行ったのか、訊いてみた。
答えのほとんどは「よく分からない」「他の人に訊いて」だったが、ひとりの信者はこう話した。
「日本には行けないから、日本の信徒の代わりにしたのよ」
どこに住んでいるのか、いつ頃から韓国に来たのかなども聞いてみたが、皆慌ただしく去って行った。
駐韓日本大使館前でもデモを行うという話もあり、「●△■教会がやるって言っていたと思うけど、今頃やっているんじゃない」と信者の一人が言うので行ってみたが、建設中の日本大使館前には誰もいなかった。