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企画したのは日本人信者と主張

 18日のデモの主催者側にあらためてデモの目的と、なぜ日本で行わなかったのかなどについて問い合わせた。デモの前には韓鶴子総裁が激励したことが日本のメディア(フジテレビ、TBSなど)により報じられたが、アン・ホヨル本部長はこう話した。 

「今回のデモは韓国人に嫁いで韓国に住んでいる日本人信者が企画した行事です。7000人くらいます。目的は日本メディアの偏向報道だけでなく、信仰・宗教の自由があるのに拉致・監禁して改宗をせまる人権蹂躙などについて訴えたものだと聞いています。

 信仰や宗教の自由があるのに拉致・監禁して、献金の返還訴訟までしている。献金というのは本人が宗教的信仰心を持って、その時感じる感情や宗教が持つ特性や文化によってするものです。献金返金訴訟なんて他の国では聞いたことがありません。

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 場所の選定についてはよく分かりません。たくさんの日本メディアからインタビュー申請が来ましたが、一切受けないと言っています。私は分かりませんが、日本のメディアは(旧統一教会に)反対する人たちの話しかとりあげていないと日本信者は言っていました」

 

安倍元首相の銃撃事件によるマイナスイメージに強い危機感か

 旧統一教会は韓国では「異端」とされるが、そうした異端カルト宗教についてよく知る、タク・チイル釜山チャンシン大学教授は今回のデモについてこう分析する。 

「今回のデモと8月11日から15日まで行われたワールドサミットに米国・共和党の重鎮を招待したことはとても意外なことで、韓鶴子の危機感の現れ、今の深刻な状況を転換させようという意図があったと思います。

 現在、旧統一教会は、韓鶴子の『世界平和統一家庭連合』と7男などの『サンクチュアリ教会』、3男の『GPF(グローバルピースフェスティバル財団)』間で創始者の文鮮明亡き後の権力闘争が続いていますが、そこへ起きた安倍元首相の銃撃事件は韓鶴子の『世界平和統一家庭連合』と関係があり、それにより権力闘争へマイナスの影響を及ぼしているのは事実。

 旧統一教会は統一グループといわれる企業型宗教でもある。大学から平昌リゾート、高麗人参の一和など手広くビジネスを展開していて不動産も保有している。霊感商法は日本をメインとして行われた資金確保の方法だった。

 それだけでなく、これからの教会の行方についても韓鶴子は日本の今の状況を深刻に受け止めていて、この危機を変えたいという思いから、今回のデモを行ったのでしょう」

 

 韓国でこのデモについて報じたのは、ポータルサイトで検索した限りだが、「世界日報」だけだった。