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逆転サヨナラ打の三木亮も…ロッテ“どこでも守れて意外性のある打撃”選手列伝

文春野球コラム ペナントレース2022

2022/08/29

 土俵際、何とか残った……。

 超大混戦のパ・リーグで、正直に書けば我らがロッテは「やや突き放され気味の5位」「ちょっと日本ハムが近づいてきてしまった」状態にあった。ソフトバンク相手の3タテ含む4連敗とか痛すぎるよ……。25日終了時点で4位楽天と4.5ゲーム差、3位オリックスと5ゲーム差。さらに楽天・西武相手に黒星を喫し、いよいよ終戦かと思うところ、連勝で踏みとどまった。

 確かにキツイ、でもキツイけどセ・リーグでDeNAが見せている猛追撃を踏まえれば、微かな希望を覚える。特に25日、5回終了時点で0-4となった時点で「チャンネル変えるか……」とひとり絶望していたが、小川龍成のプロ初本塁打や佐藤都志也のホームランでじりじりと差を詰める。8回に突き放されかけながら、その直後につないで同点にして、最後はサヨナラ勝ちってしぶとさは、高校野球を見るようなアツさだった。

 なんとか流れを引き寄せてくれた廣畑・岩下・ゲレーロ・オスナらリリーフ陣よホントにありがとう、と思うとともに、特大の感謝を送りたいのが三木亮だ。

三木が放つシブい光にも、もっと注目度が上がってほしい

 8回、無死一・二塁、送りバントでの期待を受けて代打で出たところ、まさかのデッドボールで結果的にチャンス拡大。そして最終回には高部瑛斗のスリーベースから連続の申告敬遠(あんまり見たことがない)で、三木のこの日2打席目が回ってきた。

 すると三木は2ストライクに追い込まれながらも、3球目をセンター返しでショート方向へはじき返すと、高部がホームに返ってきて劇的逆転サヨナラの主役となったわけである。

三木亮

 翌日、ホクホク顔でスポーツ紙を読むと「前に飛ばせば何とかなると。汚い打球でしたけど、チームが勝てて本当に良かったなと思います」(出典:日刊スポーツ)、「気持ちの準備は出来ていたんですけど、情けない空振りを2回してしまったので、初球で決められるように頑張りたいと思います」(同:スポーツ報知)とのコメントが。なんというか……三木っぽい味がしみてくる。

「レアードがホームランを打って寿司パフォーマンスをした際、1貫食べたらワサビでツーンとしてる人」

 余談だが――そこまで野球に興味がなくても、この説明で三木に対して興味を持ってくれる人がいた。現在のロッテで最も世間的な知名度があるのは、20歳の佐々木朗希(と18歳の松川虎生)だろう。ただプロ生活9年目、30歳となったムードメーカー三木が放つシブい光にも、もっと注目度が上がってほしいと思うわけでこんな表現をしたが、チームが勝利をつかむためにグラウンドへと送り出され、粛々と守備をこなす三木の姿には、頭が下がるばかりである。

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