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30歳で整形外科の開業医と結婚したが…

――特異な時代の恋愛観や男女観を経験されている荒木師匠は、現在、『結婚相談所アプレ』を主宰する婚活トレーナーとして活動されています。どうして人の恋愛をサポートする側に立とうと思ったんですか?

荒木 私は、30歳で結婚して、33歳で一度離婚しているんですね。相手は、整形外科の開業医。人柄もよく、下町のお兄ちゃんのような人でした。でも、彼は真面目だしエリート。私はご存じのように享楽的に生きてきた人間だから、価値観が合わない部分もあって、宇宙人と生活してるみたいな感じだったと思う。まわりとの板挟みもあって、彼もつらかったと思います。

現在は『結婚相談所アプレ』を主宰 ©文藝春秋

――そうしたすれ違いがあって離婚された、と。

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荒木 若いときはどうしようもない女で、独身時代は親の扶養家族、結婚してからも夫の扶養家族になって、面倒くさいことはすべて親や夫に押し付けて生きていけばいいと思っていたんですよ。「だって私はかわいいんだから」と思っていたから(笑)。

 その代わり……と言ったら変だけど、かわいくある努力だけは頑張りました。親からもらった素材はたいしたことないけど、それをどうやれば良く見せることができるかばかり考えてきた。私は勉強も運動も苦手だったから、生きるすべがそれしかないと思っていたんです。ところが、33歳で離婚したときに、人生ってそんなに甘くないなと気が付いて。若い、かわいいは、もう通らないよねって。

「人生の宿題」をバックレて生きていこうと思っていた

――勢いや若さだけでは通用しないから、違うものを磨かなければいけないと思ったわけですか?

荒木 そうしなければいけないということは、10代のときからわかっていたことだったんですけど、ずっと後回しにしてきた。人生の面倒くさい宿題、大人としてやるべき夏休みの宿題をバックレて一生生きていこうと思っていたんですけど、ダメだった(笑)。ツケを払えと、取り立てがやってきた。