「ジュリアナブームの顔」、「お立ち台の女王」。
そう呼ばれた“荒木師匠”こと荒木久美子さんは、日本のバブル時代を、もっともよく知る人物の一人だろう。現在、彼女は男女の恋愛をサポートする婚活トレーナーとして活動する。なぜ「お立ち台の女王」は、黒子になろうと思ったのか?
「大人としてやるべき宿題をバックレて一生生きていこうと思ったけどダメだった」
ジュリアナ時代の狂騒、離婚から得た学び、令和の婚活事情――。ブイブイ、語ってもらった。(全2回の2回目/前編を読む)
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――バブル時代は、車で送り迎えをする男性「アッシーくん」、女性にごはんをごちそうする「メッシーくん」などが続出しました。
荒木 女性のほうが、何というか力関係が強いところがありましたよね。歌謡曲の世界って恋愛観をよく表現していると思うんですけど、今井美樹さんに代表されるような女性の自己主張を歌うような歌が増えた。
90年代バブルになると杉本彩さんの『B&S』……「男はBody & Soul」って意味はよくわからないけど(笑)、 要は「私を取りにきなさい!」みたいな歌まで登場する。変な価値観があったことは間違いなくて、お金を持っているオジサンと若くて派手な女性が一番威張っていた時代だったと思う。
お金持ちの男性との交際
――今よりも景気が良かったとはいえ、男性が貢ぐことも珍しくなかったわけですよね。
荒木 そうそう。当時、フェレットが流行っていて、フェレットを彼女にプレゼントしては、自慢するおじさんがいた。そのとき、私はすごいお金持ちと付き合っていたんですけど、冗談でカンガルーをすすめられたことがありましたね。
――いろいろとおかしいですよ(笑)。ちなみに、その男性ってどんなお仕事を?
荒木 会社の役員をしていたんですけど、いつも派手な『ヴェルサーチェ』とか『フィッチェ』のスーツを着ていたから、見た目は、「ラストエンペラーかよ」って感じ。