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「モテるのと結婚は、まったく違うスキルでしたね」ディスコの女王→婚活トレーナーに…荒木師匠が語る“令和の婚活事情”

荒木師匠インタビュー#2

2022/09/03
note

――夏休みの宿題をやらないまま9月1日を迎えてしまった大人って結構いると思います。

荒木 だったら、少しでも早い方がいいんだよね。逃げ切れないということが確定したんだったら、早くやるしかない。気が付いた私は、これからはインターネットの時代になると言われていたから、日本で最初のネットビジネスの塾に入ってみたんですよ。

 そのときに、自分にはどんな独自資産があるんだろうって考えたら、芸能界と水商売で学んできたことしかない。もっと掘り下げると、モテるテクニックや恋愛テクニックならそれなりに自信があると思ったので、それを武器にネット集客を学んで、メルマガを発行したりしました。

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 しばらくして、2007年くらいかな、知り合いの紹介をきっかけに結婚相談所のセミナー講師をやるようになって、本格的に婚活トレーナー、アドバイザーの道に進んだという感じです。

(一番左)バブル時代の荒木師匠(本人提供)

「モテる」と「結婚」は、まったく違うスキル

――荒木師匠は、現在の婚活市場をどのように見ていますか? 都市部に関しては「女性があまっている」とも言われています。

荒木 その通りで、昔は男性が結婚できないと言われていたんだけど、今は女性のほうが結婚をするのが大変な時代。バブルのときは、女性は選ぶ側だったけど、今は……シビアな言い方かもしれないけど選ばれる側になっている。

 結婚相談所ってモテない人が来るというイメージを抱かれがちですが、そんなことはなくて、モテそうな女性もたくさんいるんですよ。ただ、恋愛と結婚は違うからね。私も、再婚した今の主人に会う前までは、年間300試合の合コンとパーティーをやってきたから(笑)。

©文藝春秋

――ペナントレースじゃないんだから。

荒木 その中で、本気で結婚を考えている人なんて1割くらいだったと思う。さらに、その1割の人が自分と気が合うかどうかは、また別の話。おびただしい数の男性に会ってきて、デートもいろいろな人としたけど、今の主人よりいい人はいないと思う。彼より、お金持ちだったりかっこ良かったりした人はいましたよ。

 でも、結婚相手ってそうじゃない。モテるというのと結婚できるというのは、まったく違うスキルなんですよね。別にモテなくたって幸せな結婚をしている人は、世の中にたくさんいる。モテるというのは、分母の数をたくさん取れるだけの話。その中に、良縁があるかどうかはまったく別の話ですよね。

 だから、私は『結婚相談所アプレ』に来る女性たちに、「恋愛したい」の物差しで男性を測るのはやめた方がいいとアドバイスを送っています。結婚したら、家事や育児を大切にしてくれることが大事であって、デートのエスコート能力なんてさほど必要なくなるんだから。