大我 僕の場合は、取材されていることに対して何か思うことはなかったですね。ファミリービデオを回しているくらいの感覚で。
日向 カメラマンやディレクターのことは、親戚のおじさんくらいに思っていました。カメラがあるからといって特に変わることもなく、普通の日常生活をただ撮られている感じで。ヤラセとかも一切なかったです。基本的には、イベントごとがあると熊本県民テレビのスタッフさんから連絡が来るんですけど、僕が以前白血病になってしまった時は、こっちから連絡して取材に来てもらいました。
その時に、今までの僕の記録が残っているのって、生きてきた証としてすごく大切なものだなって感じましたね。治療して症状は落ち着いていますが、当時は生きるか死ぬかの瀬戸際だったので、自分の今を撮ってほしいなって思ったんです。あとからこれまでの自分たちの記録を見ることができるのは、取材されている特権だなと感じました。
ネットに書かれた両親への誹謗中傷
ーーテレビの取材を受けていて、嫌な思いはしなかったのでしょうか。
大我 なかったですね。ただ、中学生くらいの時にスマホで初めてエゴサをしたら、いろんな書き込みをされているのを見てしまって。その時はショックでした。
「子どもがかわいそう」「親のエゴだ」というコメントがあって。でも当人の本人たちはすごく幸せに暮らしている。なんで見ず知らずの他人に、自分の親を悪く言われなくちゃいけないんだって、すごく悲しかったです。
日向 俺らがこんなに幸せなのにってね。親の悪口を言われるのってすごく辛いんですよ。でもそういう声に対して、こっちから発信する機会もないんで。もやもやする気持ちをすごく持っていました。
あとは「テレビに子どもを出すなんて」というコメントもありましたね。たしかにそれは難しい話ではあると思うんですけど、僕たち兄弟に限っては、自分たちのこれまでを振り返ることができるので有難かったなって思います。
不動 「子どもはその環境でしか育ってないから、幸せを感じれたとしても、結局ひとりっ子の方が幸せだ」という声も結構あったんですけど、そんなの誰もわからないじゃないですか。僕はひとりっ子になりたくてもなれないので、自分の置かれた状況の中でいかに楽しむかが重要だと思います。それに、そもそも親がそう思わせなかったことに一番感謝してます。
ーー今はSNSを使って、そういった思いも発信できるようになったのでは。