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強くて、華やかで、思い出をまとう色。やっぱり僕はライオンズ・ブルーが好きだ

文春野球コラム ペナントレース2022

 いよいよ今シーズンも終盤というなか、埼玉西武ライオンズは終盤戦スローガン「獅力をつくせ」の意気込みそのままに、獅力をつくした取り組みを開始いたしました。ズバリ、ユニフォームの安売りです。

「『獅力をつくせ!』ライオンズ応援セール」と銘打ったシーズン真っ只中の安売り(※応援のために安売りをするというおかしなロジック)では、応援の定番アイテム「レプリカユニフォーム」「レプリカキャップ」などが、この期間だけの特別価格になるといいます。早速オンラインストアなどを見れば10月7日までの期間限定で定番商品が10%オフとなっており、セール期間中に8000円以上購入すれば次回使える1000円オフクーポンがもらえるとのお知らせも。

 思いましたよね、「ははーん、在庫処分だな」と。

 シーズン中からユニフォームの安売りなどを始めたとき、第1に予想されるのは来季からのデザイン変更に備えた在庫処分という線です(※2番目に予想されるのは身売り)。周辺情報を見れば、2025年までライオンズのオフィシャルユニフォームサプライヤーをつとめるファナティクス・ジャパン合同会社は、日本における「マジェスティック」ブランドの展開を止めてしまうつもりなのか、マジェスティックジャパンの公式サイト(http://www.majesticjapan.com/)や公式オンラインストア(http://shop.majesticjapan.com/)をいつの間にか閉じていました(※2022年9月8日時点でアクセスできず)。

 客寄せにタダでユニフォームを配布する日でさえも「SサイズとLサイズしか配らない(※Mサイズが欲しければ買えの意)」でおなじみのライオンズが、「終盤戦盛り上がっていきましょう!」みたいなフワッとした理由で安売りをするとは思えません(※そんなことをするくらいならLポイントの交換アイテムにする)。サプライヤー自体の変更まではないとしても、「マジェスティック」ブランドからの変更やデザイン変更などは大いにありそうな気配。僕はここで資力はつくさず、グッとこらえて来季に備える所存です。

2016年より「マジェスティック」ブランドのユニフォームを着用する埼玉西武ライオンズ

今、改めて正直に言うと、僕はライオンズ・ブルー「が」好きだ。

 さて、そうした大きな変化の予感が漂うなか、改めて球団にお伝えしたいことがあります。「今さら言われても……」という話かもしれませんが、僕は現状の埼玉西武ライオンズの球団カラーである「レジェンド・ブルー」が今ひとつお気に入りではありません。

 このカラーは球団創立60シーズン目にあたる2009年に、西鉄ライオンズ時代の「黒」と西武ライオンズ時代の「青」を融合させて誕生したもの。ブルーと言われると微妙にスッキリしないネイビーやブラックに近い色で、大きく分ければ青なんでしょうなぁといった色合い。オリックスの色に似ているなと思います。

 西鉄ライオンズが存在したのは、1951年から1972年のこと。すでに消滅から50年が経つ「遠い過去」であり、敬意はあっても個人的な思い出はありません。今の本拠地、今のライオンズ、今につながるファンの多くは鮮やかで明るいライオンズ・ブルーのもとで思い出を積み重ねてきたはずであり、「黒」はどこかに一筋つながっていればよかった。現状のレジェンド・ブルーは「黒」の歴史に引きずられる割合が高過ぎるように感じています。もっと鮮やかに、華やぐ青こそが、ライオンズのイメージではないのかと(※薄暗いのがお似合いとか言ってはいけない)。レジェンド・ブルーに関して「普段使いでも違和感がない」と前向きに評する声もあるようですが、普段使っている人なんて見たことないのです(※阪神のユニフォームを普段から着ている人は見たことあるが)。

 球団カラー変更と同じタイミングでペットマークも手塚治虫先生によるレオの横顔からライオンの手のデザインに変更され、球団ロゴも筆記体から現行のものに変更され、いわゆる黄金時代のデザインは球団旗に残るばかりとなりました。「埼玉西武ライオンズ」として球団イメージを一新したかったのかもしれませんが、強くて、華やかで、はつらつとしていた「西武ライオンズ」を必要以上に遠くに置くような行為だったと思います。大切にしてほしいものが大切にされなかった気がしています。それは変更から10年余りを経た今も心に燻る思いです。

 レジェンド・ブルーがダメということではない、が。

 2度のリーグ優勝を果たし、それなりに見慣れてもきた、が。

 けれど、やっぱり、ライオンズ・ブルー「が」好きだ。

 それが「西武ライオンズ」に魅了された世代としての率直な1票です。

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