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強くて、華やかで、思い出をまとう色。やっぱり僕はライオンズ・ブルーが好きだ

文春野球コラム ペナントレース2022

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今年も新しい思い出で上書きできなければ、もうちょっと青くしてみませんか?

 名前や色なんてものは「慣れ」ですので、10年も経てばすっかりなじんでしまうだろうと思ったものです。ただ、燻る思いは残りつづけましたし、今年4年ぶりに開催された「ライオンズ・クラシック2022」で1996年~2001年にかけて使用されたビジターユニフォームが復刻されたとき、「やっぱり、いいねぇ」と素直に思ってしまいました。誰がどう見ても「青」でしかない鮮やかなライオンズ・ブルーと、袖と帽子に刻まれたレオの横顔。ひいき目もあるでしょうが、こちらのほうがいいと思いました。

 レジェンド・ブルーにしろライオンズ・ブルーにしろ「青」がアイデンティティであることは変わらないはずなのに、「青」感が乏しいのが現状の埼玉西武ライオンズ。そうこうするうちに北海道日本ハムファイターズのデザインがどんどん青くなってきており、もはや「パ・リーグで青い球団」と言えば日本ハムのほうです。心に思い描く色は日本ハムに似ており、実際の色はオリックスに似ている。このままではライオンズは「パ・リーグの何色の球団」なのか表現できなくなってしまうでしょう。「青炎(※セイエンと読む)」などと言い張ってはいますが、どう視力をつくしても、青いのは日ハムのほうです。

 チームのイメージというのは、いい時代の素晴らしい思い出とリンクするもの。その点でレジェンド・ブルーはいまだ「日本一」の思い出をまとっていないカラーであり、チームのイメージを上書きするには至っていません。CSで負けつづけているという意味では「最後に負けて終わる」イメージが強い沈鬱ブルーです。今季はチームも上位争いを演じ、優勝・CS進出も十分にありそうですが、今年もまた新たな思い出で上書きされることなく終わるようであれば、いい機会と思ってハッキリクッキリした「青」への転換をご検討いただきたいもの。強く、華やかなライオンズ・ブルーで、気持ちだけでも明るくするのはいかがなものかと思うのです。

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「青く染まるスタンド狙え」と応援ではよく言いますが、本当に「青い」日は、たまにしかありません。

 だから、たまのそんな日に、思うのです。

 やっぱり、この「青」が好きだと。

 強く、華やかな、ライオンズの色だと。

これこそ「青く染まるスタンド」。なお、試合には負けた模様。

【参照】レジェンド・ブルーのまとう思い出

●2009年
前年日本一から一転4位Bクラス。リーグワースト14度のサヨナラ負け。
●2010年
マジック4から大逆転V逸。CSでも大逆転敗退。細川亨さんFA流出。
●2011年
勝率「5糸」差で3位に食い込むもCSで敗退。帆足和幸さんFA流出。
●2012年
シーズン2位から3年連続でのCS敗退。中島裕之さんFA流出。
●2013年
シーズン2位から4年連続でのCS敗退。涌井秀章さん、片岡治大さんFA流出。
●2014年
序盤から最下位疾走。シーズン中に監督交代。5位Bクラス。
●2015年
球団ワースト記録13連敗。逆転でシーズン4位Bクラスに終わる。
●2016年
12球団ワーストシーズン101失策。3年連続Bクラス。岸孝之さんFA流出。
●2017年
4年ぶりの2位AクラスもCS敗退。牧田和久さんポスティングでメジャーへ。
●2018年
10年ぶりの優勝もCS敗退。浅村栄斗さん、炭谷銀仁朗さんFA流出。菊池雄星さんポスティングでメジャーへ。
●2019年
2連覇果たすもCSは4連敗で敗退。秋山翔吾さんFA流出。
●2020年
コロナ禍が親会社を直撃。チームは3位となるもCSファーストステージ開催されず。
●2021年
42年ぶりの最下位。栗山巧さん生え抜き選手初となる通算2000本安打達成。

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