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〈初公判でママ友が無罪主張〉福岡5歳児餓死 皮下脂肪1ミリに追い込んだ"洗脳LINE"

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碇被告を離婚に導いた赤堀被告の一言

「あんたの夫は浮気をしている。母子手当がもらえるから離婚した方がいい」

 そう唆された碇は18年12月、小学生の長男と次男、幼稚園児の翔士郎ちゃんを連れ、会社員の夫と暮らす新築の一軒家を飛び出してしまう。約半年後には離婚が成立した。

「次に赤堀は、碇に架空のママ友トラブルや夫との訴訟を吹き込み、それを解決してくれるボスの存在をでっち上げた。ボスは暴力団に繋がりがあると碇に恐怖心を植え付けた上で、彼女に渡す和解金や裁判費用として碇から金を巻き上げ始めた」(前出・記者)

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 気づけば二人の結びつきは、対等なママ友から歪な主従関係に形を変え、碇は赤堀に全ての生活費を管理されるようになった。車や婚約指輪も売り払い、生活保護費も取り上げられ、碇が搾取された金の総額は消費者金融の借金も含めて1300万円を超えた。

「自宅の全ての部屋に小指の爪の先ほどのカメラがあって見張られている。ボスにすぐバレるよ」

亡くなった翔士郎ちゃん

「ボスに迷惑がかかるから警察には言わないで。親族もスパイだから」

 ひっきりなしの“洗脳LINE”は続き、碇が盲従するようになると、赤堀は対面でも正座させた碇を罵倒しながら、正常な判断能力を奪っていく。

「あんたは子供に甘い。子供から動かされている。恩を仇で返すな。何のために生まれてきたのか。死ね、海に沈めるぞ」

 さらに赤堀は「子供に笑いかけない」「抱っこしてもいけない」などのルールを設定。時には翔士郎ちゃんを掴んでクローゼットに投げつけることもあった。母一人、息子3人の生活は困窮を極めた。財布も持たされていなかった碇は、トイレットペーパーすら買えず新聞紙で代用。風呂では、車の洗浄液を薄めて体を洗った。食事は赤堀が数日おきに持ってくるわずかな食料のみ。小学生の長男と次男は給食で飢えを凌ぐことができた。しかし、翔士郎ちゃんは赤堀の指示で幼稚園を退園。お腹を空かせて無断でパンを食べた際、激高した赤堀は、幼子を大きな買い物バッグに入れ、真っ暗なトイレに監禁した。

「ママー!」

 叫び続けた翔士郎ちゃんは失禁。赤堀の許可を得てようやく碇が痩せた体を拭いてあげると、そんな時も翔士郎ちゃんは「ママ、ありがとう」とお礼を言った。

「碇は虐待がエスカレートすることを怖れ、『赤堀に逆らわないことが子供たちを守る方法だった』と証言している」(前出・記者)

 法廷では、当時の碇がスマホに綴っていたメモの内容も明かされた。

〈翔、きょうは食べれたね。痩せすぎて、人相変わってしまったやん。引っ越ししたけど、押し入れの中だね。ごはん食べれてないね。ごめんね、翔〉

 赤堀に対しては反発心も。

〈あぁ、本当にうっとうしい。私もムカつくけど、一方的に言われるけん、何も言えん。きょうも、昼から罵声、罵声。いつまで、奴隷のような扱いなん〉

 だが一方で、赤堀へのLINEでは、翔士郎ちゃんにパンを与えた時の様子をこう報告し、迎合していた。