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「大田さんと出会ったのは昨年7月でした。ある人から『子猫が大通りを横断していて危ないから保護してくれないか』と連絡があり、現地に行くと子猫にご飯をあげている大田さんがいたんです。話を聞くと『飼いたいと思っていていつもご飯をあげている』と話してくれました。その時に、本当に猫が好きで、しっかり飼える方なんだなという印象を受けました」

 女性が「あなたに何かあったら家族の方は飼えますか」と聞くと、大田さんは「大丈夫」と答えたという。

「それから3カ月くらい、彼女とやりとりを続けました。ケージやトイレを貸したりもしました。大田さんは子猫に『にゃーご』と名前をつけて、すごく可愛がってくれていました。だから、まさかこんなことになるなんて……」

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猫が好きだった大田さん(大学の公式サイトより※現在は閲覧不可)

 そう言って、女性は声を詰まらせた。

愛猫「にゃーご」が目撃した犯行の一部始終とは

 女性が大田さんが亡くなったことを知ったのは事件の翌日。たまたま大田さんの家の前を通った際に現場検証をする警察を見つけ、何が起きたのか何気なく聞いたところ、大田さんが殺害されたことを知ったという。

「事件の被害者が大田さんだったと知ってとても驚きました。あんなに優しい素敵な女性がそんなに怖い目に合うなんて、って。そして、そういえばにゃーごはどうしているんだろうと。

 心配で警察に話を聞くと『猫はいない』というので、近所にビラを配るなどして探しました。でもなかなか見つからない。それが事件から4日後、大田さんが住んでいた部屋がある4階のベランダを行き来するにゃーごが見つかったんです。にゃーごは無事で本当によかった……」

大田さんの愛猫を探すためにつくったビラ

 この女性は「このあとにゃーごを病院に連れて行く」というが、健康状態に異常はなく元気だそうだ。

 大田さんの愛猫がベランダへ出た後、現場検証をした警察が気づかずに窓を閉めてしまったようだ。にゃーごは事件当日、何を見たのだろうか。保護した女性によると、時折、寂しそうに鳴くことがあるという。

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