「マンションの部屋で襲って、4階から転落した女性をさらに路上で複数回刺している。極めて高い殺意が読み取れる、異常かつ執拗な犯行態様です。刺し傷は心臓や肺にまで達する深いものも含めて全身に十数カ所ありました」(大手紙大阪社会部記者)
8月26日夜、大阪府堺市の路上で、大学生の大田夏瑚さん(20)が殺害された事件。大阪府警は現場で血のついた包丁を持っていた山本巧次郎容疑者(23)を現行犯逮捕した。
大田さんは診療放射線技師を目指して、勉学にいそしんでいたようだ。在籍していた大学のウェブサイトにもその様子が紹介されていた。子猫の里親になって可愛がるなど、とても穏やかな性格だったという。
そんな女性がなぜこのような事件の被害者になってしまったのだろうか――。
取材を進めていくと、大田さんと山本容疑者の関係はうまくいっていなかったことがわかってきた。関係者らからはこうした証言があがっている。
「山本容疑者は嫉妬深く、気に入らないことがあるとすぐに大田さんを怒鳴ったり暴力をふるったりなど、過激な行動をとっていた」(大阪府警関係者)
「酒に酔って手をあげるという話もあり、近隣の住民は男の叫び声などを聞いていた」(前出・大阪社会部記者)
「山本容疑者は浮気をしていた」(大田さんの知人)
大阪府内の山本容疑者の実家周辺で聞き込みをしたところ、山本容疑者を知る同級生の親は「最近は見かけていませんが」と言いながら、かつての印象をこう語った。
「剣道をずっとやっていて結果も出したようです。子供の頃はお兄さん思いのいい子でしたよ。報道されているような酒に酔って、とかは分かりませんが、なんであの子がこんな事件を起こしたんだという信じられない思いです」
一方、容疑者を古くから知り、近年も会っていたという知人男性はこう証言する。