閉め切られた部屋で、20代の母親と3歳の娘が変わり果てた姿で見つかった。
8月24日午前、大阪府堺市東区のマンションの一室でこの部屋に住む荒牧愛美さん(29)と娘のリリィちゃん(3)が死亡しているのが発見された。2人の上半身には刺し傷が十数カ所もあり、愛美さんの顔には殴られたような痕もあった。部屋は施錠されていた。
大阪府警は2人を殺害した疑いが強まったとして、夫でブラジル人のバルボサ・アンデルソン・ロブソン容疑者(33)の逮捕状を取り、全国に指名手配した。しかしバルボサ容疑者はすでに国外へ逃亡。府警担当記者が解説する。
「2人は8月21日までに亡くなったと推定されていますが、同月24日に愛美さんの父親が、『2日前から娘夫婦と連絡が取れない』と通報したことから事件が発覚しました。バルボサ容疑者は22日に職場に『事故に遭い2週間休む』と連絡し、愛美さんの母親には愛美さんの携帯から『体調が悪いので来ないで』とメッセージを送っていたことが分かっています。この時すでに2人を殺害していたとみられ、事件の発覚を遅らせて逃亡の時間を稼いだようです。そして、警察の遺体発見時にはすでに出国していました」
「愛してるよ、ダーリン」幸せだった美男美女夫婦
海外への留学経験があった愛美さん。英語に加え、バルボサ容疑者の母国語であるポルトガル語を話すことができたという。SNSにはリリィちゃんとの写真や、手の込んだたくさんの料理の写真などが並んでいる。
愛美さんは2018年頃、バルボサ容疑者への愛をSNSにこう綴っている。
《あなたに会うまで、私の愛と幸せの意味を知らなかった。いつも一緒にいてくれて本当にありがとう。愛してるよ、ダーリン》
端から見れば、国際派の美男美女夫婦に見えたことだろう。
「しかし愛美さんは、知人に対し夫の束縛が強いなどと悩みを相談しており、離婚も考えていたそうです。家族の間で何らかのトラブルがあったとみて、府警は捜査を進めています」(前出の府警担当記者)
最悪の結末を迎えた愛美さんとバルボサ容疑者の関係。歯車はいつ狂ってしまったのだろうか。2人の関係性を取材していると、リリィちゃんが生まれる前まで、2人で大阪・ミナミの繁華街のクラブなどでよく遊んでいたことが分かった。