昨年、8年ぶりに公の場に姿を見せた元TBSアナウンサーの小林悠さんこと、アンヌ遙香さん(39)。現在、生まれてから高校までを過ごした北海道に住み、東京と2拠点で仕事をしている。

 2024年3月に文春オンラインにインタビューを掲載したが、今回改めて、TBS時代から、退職後、現在の活動に至るまで話を伺った。(全3回の2回目/続きを読む)

アンヌ遙香さん ©文藝春秋

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多くの経験を積めた『朝ズバッ!』『Nスタ』『報道特集』

ーー早朝の番組を担当されると、生活のリズムをキープすることだけでも大変そうですが、報道はやりがいが感じられましたか。

アンヌ もう記憶が曖昧なんですが、『朝ズバッ!』の前の『早ズバッ!』という番組も担当していたので朝は深夜1時に起きて、2時半くらいに出社していました。

 かつては、朝の番組を担当していると、その後の仕事もできるよね? という発想でしたから、午後からバラエティ番組のロケや収録が入ることもありました。でも、『朝ズバッ!』で報道に近いことをやりながら、バラエティ番組にも参加できたこと、いろいろと経験が積めたことは、アナウンサー冥利に尽きるというか、本当にラッキーでした。

『朝ズバッ!』が終わった後に担当した『Nスタ』(主に夕方の4~5時台放送のニュース番組)では、事件・事故・災害などが起きた時に現地に行って中継リポートする役回りを与えていただいた時期があります。「明朝一番で取材してほしいから、今夜のうちに飛行機で移動しておいてくれる?」と、日曜休日問わず電話がかかってきて、即対応するということもしていました。

 最後の方は、自分でニュース原稿を書いたり、VTRの編集に立ち会って一緒に作業をしたりもしていました。結局、ラジオでもテレビでも、番組がいかにいい形に収まるかを考えて仕事をしていたと思います。

 アナウンサーは自己顕示欲が強いんじゃない? などと言われることもありますが(笑)、その役割を担っているだけで、常に番組の作り手の一人だと認識していました。中継リポーターの仕事をしたのは数年でしたが、自分に向いている、天職だと感じていました。その仕事に巡り会えたことは、今でも本当にありがたいと思っています。