司法解剖によってわかった、死因は「飢餓と多発性皮下出血、低体温症など持続的な虐待と暴行による複合的要因」…。7歳の長男を虐待死させた韓国人の夫婦にくだされた罰とは? 実際に起きた事件や事故を題材とした映画の元ネタを解説する新刊『映画になった恐怖の実話Ⅳ』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む)
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死因は「飢餓と多発性皮下出血、低体温症」
ウォンヨンくんの小学校入学に関する審議が行われる寸前の2016年3月4日、夫婦は「子供がいなくなった」と学校側に申し出る。これを不審視した学校側が警察に連絡。当局が捜査を開始し、姉からこれまでの経緯を事情聴取。同月9日、父シン、継母キムを児童虐待の容疑で逮捕する。
警察は彼らがウォンヨンくんを死亡させた疑いが強いとして徹底的に追及した。取り調べに対してキムは殺害を否定したうえで「先月20日、酔っ払った状態で息子を連れ出し、道に置きっ放しにしたが場所は正確に覚えていない。夫には『江原道にいる実母の知人に預けた』と嘘をついた」と主張。一方、シンは「妻の言葉を信じて息子を探したことはなかった」と供述した。
同月10日、警察はウォンヨンくんの顔や特徴を公開し情報を募る一方、監視カメラの映像を分析し、同年1月10日にキムとウォンヨンくんが自宅近くの小学校を通り、海岸沿いの平沢市内の浦勝に向かう姿を確認。付近一帯の野山、水路、海岸を捜索する。
また、シンが清北面のスーパーマーケットでマッコリなどを購入した事実を突き止め、深く事情を聞いたところ、同月12日になってキムがウォンヨンくんを虐待死させ、遺体を清北面に投棄したことを自供。
その言葉どおり遺体が発見されたため、2人を殺人罪および死体遺棄罪で再逮捕した。国立科学捜査研究院の司法解剖によれば、死因は「飢餓と多発性皮下出血、低体温症など持続的な虐待と暴行による複合的要因」だったという。
