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学校での人間関係が犯行に繋がった可能性も

 そもそもA子は当日の昼頃まで、戸田市の自宅に母親と一緒に居た。「塾に行ってくる」と言い残し、電車を新宿駅で降りて人通りの少ない場所を探して現場に行き着いたとされる。

「標的が母親なら、家を出る前に手にかけていると考えるのが自然です。もとより残虐な事件を起こしても、18歳未満には死刑は適用されません」(同前)

 小学校時代は地元のスポーツクラブに通っていたA子。ただ、中学1年生の3学期から不登校になったという。A子の母親は「部活を辞めたことや友人関係が不登校の理由だった」と話しているとされ、学校での人間関係が犯行に繋がった可能性も否定できない。

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記者会見する戸田市教育委員会 ©共同通信社

 少年事件に詳しい捜査関係者が指摘する。

「子供の供述は大人よりも慎重に扱わなければならない。発達が未熟で、自分の心情を理解できていないことも多いからだ。動機を聞かれてもニュースなどで聞いたことがある『台詞』を言うだけで、本心は別のところにある子供もよくいる。A子の場合も、もう少し別の動機があった可能性があり、取調官との信頼関係の構築が大事になる」

 死者は出ていないとはいえ、事件の重大性に鑑みて、検察に逆送される可能性もあるA子。鑑定留置を経て、最終的に大人と同じ刑事裁判に付されるか、家裁での審判に戻されるかが決まる。