2019年、SNSにアップしたメイク姿の自撮り写真が「可愛すぎる男子高校生」として国内外で大きな注目を集めた、ぎんしゃむさん(20)。2022年現在は、SNS総フォロワー数70万人超の人気インフルエンサーとして活躍し、ジェンダーレスアイドルユニット「MM(メイメイ)」のメンバーとしても活動している。

 そんなぎんしゃむさんに、メイクをするようになったきっかけや、SNSでバズった当時の心境、「ジェンダーレス男子」と呼ばれることへの率直な思いなどを聞いた。(全2回の1回目/2回目に続く

ジェンダーレスアイドル・ぎんしゃむさん ©杉山秀樹/文藝春秋

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「男の娘」「ジェンダーレス男子」と呼ばれるけれど……

――ぎんしゃむさんといえば、「男の娘」「ジェンダーレス男子」と呼ばれることが多いですよね。

ぎんしゃむさん(以下、ぎんしゃむ) メディアにはそう言われていますけど、実は自分から“男性”を意識させるような肩書きを名乗ったことはないんです。自分では「ジェンダーレスアイドル」と説明しています。それに、好きなファッションやメイクをしているだけで、「男の娘」「ジェンダーレス男子」として生きているつもりもない。

 自分は戸籍上“男”というだけで、「男性か女性か」という性別の枠組みはあまり意識していないんですよね。メディアの方々は、何かしらのカテゴリに当てはめたほうが世間に伝えやすいんだろうなって思うので、別にいいんですけど。

©杉山秀樹/文藝春秋

――そもそも、ぎんしゃむさんがメイクを始めたきっかけは?

ぎんしゃむ 中学1年生のとき、仲のいい友だちに、目鼻立ちのはっきりした可愛い子がいて。その子といると、隣に並ぶ自分の顔がすごく薄く感じるようになったんです。自分の見た目が気になる思春期だったのもあって、そこからメイクを始めました。

 当時はちょうど、“ジェンダーレスな存在”や、男性のスキンケア、メイクが世の中に浸透してきていたのもあって、メイクに対する抵抗感はなかったですね。

――最初はどんなメイクを?